研究課題/領域番号 |
20K07485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
桑江 朝臣 北里大学, 感染制御科学府, 准教授 (60337996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 百日咳 / ボルデテラ / III型分泌装置 / エフェクター / 百日咳菌 / ボルデテラ属細菌 / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
百日咳を引き起こす百日咳菌,また人食いバクテリアの一種でヒトに皮膚壊死を起こすエロモナス属細菌が分泌するBteAファミリータンパク質は哺乳類細胞内に移行すると細胞膜破壊を伴った細胞死を誘導する。この細胞死誘導活性はこれらの細菌による病態形成に貢献していると考えられるが,BteAファミリータンパク質の細胞死誘導が哺乳類細胞内のどのようなシグナル伝達経路を介して行われているのかは全く不明である。このシグナル伝達機構を本研究で明らかにし,新規薬剤開発のための分子基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では百日咳菌をはじめとするボルデテラ属細菌が産生するBteAの機能解析,およびBteAの分泌に関与するIII型分泌装置の活性化メカニズムについて研究を行った.百日咳菌B. pertussisにおけるIII型分泌装置の活性化メカニズムについては不明であった.我々は百日咳菌が環境中の酸化還元状態を感知してIII型分泌装置を活性化していることを見出した.またIII型分泌装置の基部構造に含まれるBscIというタンパク質が菌体内で安定に保持されるためにBcr4というタンパク質が必要であることを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでボルデテラ属細菌のIII型分泌装置およびそこから分泌されるタンパク質に関しては動物を宿主とする気管支敗血症菌が主に研究対象とされ,百日咳菌では効率的にIII型分泌装置が活性化される条件が見出されていなかった.本研究では培地中から還元剤を除去すると百日咳菌のIII型分泌装置が活性化されるBteAなどのエフェクターが効率よく培地中に分泌されることを見出した.またIII型分泌装置の基部構造中のロッド様タンパク質が菌体内で安定に保持されるために必要なタンパク質に関しては,不明であったが,本研究でBcr4というタンパク質がロッド様タンパク質BscIの安定性に必須であることを見出した.
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