研究課題/領域番号 |
20K07486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
長岡 功 順天堂大学, 医療科学部, 特任教授 (60164399)
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研究分担者 |
射場 敏明 順天堂大学, 医学部, 教授 (40193635)
熊谷 由美 順天堂大学, 医学部, 助教 (90277591)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エクソソーム / エクトソーム / 細胞外小胞 / 敗血症 / 生体防御ペプチド / 抗菌ペプチド / LL-37 / マイクロRNA |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症は細菌感染を主因としておこるが、いまだ有効な治療法が確立されておらず先進国でも致死率が高い疾患である。一方、最近になって細胞間コミュニケーションを媒介する細胞外小胞エクソームが、敗血症の病態において保護的に働くことが報告された。申請者はこれまでに生体防御ペプチドLL-37を敗血症モデルに投与すると、菌血症とサイトカイン生成が抑制され致死率が改善することを明らかにしている。さらに申請者は、LL-37が敗血症モデルにおいてエクソソーム放出を増加することを見出した。そこで本研究では「LL-37によるエクソソームの放出誘導」に着目して、敗血症の病態解明と、それに基づく新たな治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
敗血症は細菌感染を主因としておこるが、いまだ有効な治療法が確立されておらず先進国でも致死率が高い疾患である。一方、最近になって細胞間コミュニケーションを媒介する細胞外小胞エクソソーム(約100 nmの大きさ)が、敗血症の病態において保護的に働くことが報告された。申請者はこれまでに生体防御ペプチドLL-37を敗血症モデルに投与すると、菌血症とサイトカイン生成が抑制され致死率が改善することを明らかにしている。さらに申請者は、LL-37が敗血症モデルにおいてエクソソーム放出を増強することを見出した。そこで本研究では「LL-37によるエクソソームの放出誘導」に着目して、敗血症の病態解明と、それに基づく新たな治療法の開発を目指す。 そのため、今年度は、敗血症モデルにおいてLL-37によって放出されたエクソソームの機能解析をin vitroで行った。すなわち、マウスの盲腸を結紮・穿孔して 敗血症を誘発した。そして、この敗血症モデルにLL-37を投与することによってエクソソーム放出を誘導し、放出されたエクソソームを精製し、得られたエクソソームの抗菌作用を解析した。なお、敗血症モデルにLL-37を投与すると好中球からエクトソーム(200 nm以上の大きさ)と呼ばれる細胞外小胞も放出されるので、エクソソームとエクトソームの抗菌作用について比較した。 その結果、エクトソームは、好中球由来の抗菌タンパク質・ペプチドを含んでおり、抗菌作用を有していたが、エクソソームには抗菌タンパク質・ペプチドがほ とんど含まれず、抗菌作用も弱いことがわかった。したがって、エクソソームは抗菌作用以外の働きによって、敗血症において機能している可能性が示唆され
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、敗血症モデルにおいてLL-37によって放出されたエクソソームの機能解析をin vitroで行った。その結果、好中球由来の細胞外小胞エクトソーム(200 nm以上の大きさ)は、好中球由来の抗菌タンパク質・ペプチドを含んでおり、抗菌作用を有していたが、エクソソーム(約100 nmの大きさ)には抗菌タンパク質・ペプチドがほとんど含まれず、抗菌作用も弱いことがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
エクソソーム(約100 nmの大きさ)には抗菌タンパク質・ペプチドがほとんど含まれず、抗菌作用も弱いことから、エクソソームは抗菌作用以外の働きによって、敗血症において機能している可能性が示唆された。そこで、今後は、その可能性について検討を進めたい。
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