研究課題/領域番号 |
20K07495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村瀬 一典 京都大学, 医学研究科, 助教 (40710869)
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研究分担者 |
菊地 泰生 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20353659)
相川 知宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70725499)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / A群レンサ球菌 / 細胞傷害性 / 免疫応答 / 病原機構 / 病原性メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
細胞外小胞(EVs)は、細菌が細胞外に放出する球状の構造体である。これらEVsの産生は細菌全体に備わっている生物学的プロセスであり、多様な病原因子のデリバリーシステムとして機能し、細菌の感染戦略や病原性発揮の観点から非常に重要な因子であると考えられている。本研究では、先行研究成果を基に、i)臨床分離株(劇症型・非劇症型)におけるEV産生量の把握、ii)EVに内包されるタンパクの網羅的な同定と、iii)In vitroにおけるEVの細胞傷害性と免疫応答の検討、iv)In vivoでのEV活性と宿主側との相互作用の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、A群レンサ球菌(GAS)由来の細胞外小胞(EV)におけるプロテオーム解析から、GASのEVには種々の病原関連タンパク質が多く内包されており、宿主への病原性を促進すること、また、それらは侵襲性のGAS EVにおいて多く内包されていることがわかった。また、侵襲性GAS EVは細胞傷害活性を示す一方、非侵襲性GAS由来のEVは細胞毒性活性を示さず、菌の宿主細胞侵入時におけるオートファジーなどの抗菌機構を阻止する手段として活用され、感染後の細胞内環境での自身の生存戦略に寄与すると考えられる。本研究成果から、EVがGASの感染戦略及び病原性発揮機構において重要な因子であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EVsは多様な病原因子のデリバリーシステムとして機能し、細菌の感染戦略や病原性発揮の観点からも非常に重要な因子であると考えられているものの、その産生機構や宿主側との相互作用については、未だ不明な点が多い。そのため、EVsが直接的な病原性発揮機構の一つであることが明らかになれば、本研究の学術的意義は非常に大きい。さらに、EVsはワクチンとして利用することも可能である。近年、抗生物質耐性菌の増加など、細菌感染症に対する治療法の開発が急務であり、本研究による成果は、EVのワクチン応用のための効果的な利用法につながり、ワクチン開発における発展的な研究の一端になりうるため、社会的意義は高いと考えられる。
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