研究課題/領域番号 |
20K07498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大岡 唯祐 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50363594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Escherichia albertii / アメーバ内増殖機構 / 菌濃縮法 / タイピング / 病原性 / アメーバ内増殖 / IgG結合タンパク質 / 鞭毛抗原多様性 / 病原機構 / 分離培養法 / 環境動態 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、新興下痢症起因菌Escherichia albertiiによる感染症・食中毒が多数報告されているが、本菌の性状に不明な点が多く、感染経路の同定に至らないケースも多く、また保菌宿主および環境動態もを明らかになっていない。本研究では、「自然の水環境中においてアメーバを宿主として安定的に生存できる」可能性に焦点を当て、①その増殖機構の解明、②検査応用に向けたアメーバを用いた分離培養法の確立、③本分離培養法による水環境での分布および分離株と臨床由来株との遺伝的性状の異同の解明を行う。これらの研究から、感染経路の同定を容易にし、本菌による水環境からの感染リスクに関する理解を大きく前進させる。
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研究成果の概要 |
新興下痢症起因菌Escherichia albertii (EA)のゲノム情報から病原関連候補因子を同定し、”アメーバへの感染・増殖機構および病原機構の解明”、”感染源同定や汚染調査に有用な選択的増菌培養法の開発”を目指した。その結果、本菌のアメーバ内増殖に重要な病原関連因子を同定するとともに、アメーバの細胞質内で増殖を示唆する結果を得た。また、種特異的な細胞表面分子があることを明らかにし、それを利用した濃縮増菌法を開発して、多数のEA株において本法が有用であることを示した。加えて、本菌の特徴として鞭毛H抗原タイプが4種類あることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、集団感染の起因菌となっている新興下痢症起因菌E. albertii (EA)について、ゲノム情報および先行研究の知見を基に解析を進め、本菌の環境(特に水環境)中での生態に関する情報を得ることができ、本菌の感染経路を推定する上での有用な知見を得ることが出来た。また、本菌による感染事例では、感染源に存在する菌数が少ないためかその同定に至る例が少ないことが問題であるが、本研究において、EAの表層分子を利用した菌濃縮法および菌タイピング法を開発し、その有用性も明らかに出来たことで、今後の迅速な感染源同定などに繋がることが期待される。
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