配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究開始時の研究の概要 |
申請者は、高病原性クリプトコックス症に対する予防ワクチンの開発を進めている。 これまでに、病態を顕著に改善する樹状細胞ワクチンを独自に開発し、その作用機序を解明した (Ueno et al., Infect Immun, 2015: Mucosal Immunol, 2019: Med Mycol, 2019)。 最近の解析で、次世代の新規経鼻ワクチンの開発にも成功したことから、本研究では新規経鼻ワクチンが誘導する2種類の新規免疫細胞に着目して、新規経鼻ワクチンの作用機序を解明する。
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研究実績の概要 |
病原性真菌Cryptococcus gattiiは, 健常人に感染しクリプトコックス症を引き起こす. ワクチンによる感染予防は, 公衆衛生上の課題であるもののワクチンは未だ市販されていない. 本研究では, 高病原性クリプトコックス症に対する2種類の不活化経鼻ワクチンを開発した. このワクチンは, マウスモデルにおいて肺常在性記憶Th2細胞=lung TRM2を誘導し, 感染病態を有意に改善した. ワクチン投与群では, 感染7日目に好酸球と樹状細胞/マクロファージの増加し, 感染14日目には肉芽腫が作られて菌体の増殖を抑える. このワクチンによる感染制御作用は, IFNγやIL-5を欠損するマウスでも消失せず, 好酸球の減少は病態の改善に影響しなかった. 一方で, IL-4/IL-13の二重欠損マウスでは, 肉芽腫形成が減弱し, 経鼻ワクチンの効果が消失した. この結果は, IL-4とIL-13=すなわちII型の免疫応答=が経鼻ワクチンによる感染制御に必要であることを意味している. ワクチンによる感染制御作用は, FTY720投与下で失活せず, lung TRM2をRag-1欠損マウスに移入すると感染抵抗性が惹起された. このことは, lung TRM2が感染制御に関与することを意味する. lung TRM2を抗原存在下で骨髄由来マクロファージと共培養すると多核巨細胞が誘導され, IL-4/IL-13二重欠損マウス由来のlung TRM2は多核巨細胞を誘導しなかった. in vitroで誘導した多核巨細胞は, 非オプソニン化条件でC. gattii R265株の生菌を貪食した. この結果は, lung TRM2がIL-4とIL-13を介して多核巨細胞を誘導し菌体の増殖を抑えるモデルを示唆している.
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