研究課題/領域番号 |
20K07507
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
上野 圭吾 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (10550220)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺常在性記憶T細胞 / クリプトコックス症 / 肉芽腫 / 多核巨細胞 / Th2 / lung CD4 TRM / 肺常在性記憶Th2細胞 / 経鼻ワクチン / 肺常在性記憶型T細胞 / protective Th2 / 肺真菌症 / 好酸球 / Cryptococcus gattii / 顆粒球 / 肉芽腫形成 / ワクチン / CD11b / 抗原認識 / 免疫回避 / CD4+ TRMs |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、高病原性クリプトコックス症に対する予防ワクチンの開発を進めている。 これまでに、病態を顕著に改善する樹状細胞ワクチンを独自に開発し、その作用機序を解明した (Ueno et al., Infect Immun, 2015: Mucosal Immunol, 2019: Med Mycol, 2019)。 最近の解析で、次世代の新規経鼻ワクチンの開発にも成功したことから、本研究では新規経鼻ワクチンが誘導する2種類の新規免疫細胞に着目して、新規経鼻ワクチンの作用機序を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究ではGattii型クリプトコックス症に対する不活化経鼻ワクチンを開発した. このワクチンは, 肺常在性記憶Th2細胞=lung TRM2と肉芽腫を誘導し病態を改善した. IL-4/IL-13二重欠損 (DKO)マウスでは, 肉芽腫形成が減弱しワクチン効果は消失した. Lung TRM2をRag-1欠損マウスに移入すると感染抵抗性が惹起された. 抗原存在下でlung TRM2とマクロファージを共培養すると多核巨細胞 (MGCs)が誘導され, DKOマウスのlung TRM2はMGCsを誘導しなかった. 以上の結果から, lung TRM2が肉芽腫を誘導し感染を抑えると結論した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は, 肺常在記憶Th2細胞 = lung TRM2の肺クリプトコックス症に対する防衛的役割を明らかにした. lung TRM2は好酸球を誘導するものの, 好酸球だけでは十分な感染防御効果は得られず, II型肉芽腫を誘導することでクリプトコックス症を制御した. Lung TRM2はマクロファージとの共培養で多核巨細胞を誘導した. これらの新しい知見は, クリプトコックス症ワクチンの開発において有益である.
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