研究課題/領域番号 |
20K07513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 康之 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (10452294)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 脱殻 / ヒト免疫不全症候群ウイルス / 分子機能 / 創薬基盤 / TNPO1 / M1 / CA / HIV-1 / マトリクスタンパク質 / 複合体構造 / タンパク質発現 / 細胞内侵入 / タンパク質構造 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの感染症を引き起こすインフルエンザ、コロナ、エボラ、デング、ジカといった脂質二重膜に包まれたエンベロープRNAウイルスは、細胞内にエンドサイトーシスと呼ばれる食作用で取り込まれる。その後エンドソーム内部の環境が変化することでエンドソーム膜に融合し、ウイルスゲノムが細胞質内へ放出される。ウイルスの細胞内への侵入の素過程における宿主因子の機能の理解は、RNAウイルスの細胞内侵入のメカニズムだけでなく、将来的に宿主因子を標的とした新たな抗ウイルス薬の開発につながることが期待される。そこで、宿主因子とウイルス殻タンパク質の複合体を生化学的に精製し、その分子構造と相互作用メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
A型インフルエンザウイルス及びヒト免疫不全症候群ウイルスの細胞内侵入過程で生じるRNAゲノムの放出には、宿主核輸送因子トランスポーチン(TNPO1)とウイルス殻を構成する因子(M1及びCA)との複合体形成が重要である。この複合体の分子性状を調べると、一部のTNPO1とM1との結合は強力な界面活性剤に耐性であることが明らかとなった。またTNPO1と複合体を形成できるM1は全長タンパク質であることも示唆された。一方で、TNPO1とCAタンパク質の分子間相互作用は確認できておらず、精製CAタンパク質のフィラメントまたはキャプシド構造の形成には十分な条件検討が必要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RNAをゲノムに持つA型インフルエンザウイルス及びヒト免疫不全症候群ウイルスの細胞内侵入におけるウイルス・宿主由来因子の分子間相互作用解析は、創薬研究の基盤となる知見を得る上で重要である。宿主側の未だ明らかとなっていない細胞内機能や機能未知なウイルス側因子の作用機序を通して、分子レベルで各タンパク質の性状・機能を理解することは、創薬標的の発見に繋がる。RNAウイルスは未だ根絶できない感染症の原因のひとつであり、それを標的にした抗ウイルス薬の開発は人類のみならず、人畜共通感染症を制御する上で非常に重要な役割を果たすものである。
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