研究課題/領域番号 |
20K07519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
松山 州徳 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 室長 (90373399)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | coronavirus / コロナウイルス / MHV / 構造変化 / スパイク / S蛋白 / 膜融合 |
研究開始時の研究の概要 |
エンベロープウイルスはその表面に存在する膜融合蛋白を用いて、ウイルス膜と細胞膜を融合させ、ウイルス遺伝子を細胞内へ送り込む。しかしどうやって膜融合蛋白が膜を融合させているのか、その動作機構は未解明である。コロナウイルスは膜融合蛋白「Spike」の活性化に宿主細胞プロテアーゼを必要とする点において、これまでよく研究されてきたインフルエンザウイルスやレトロウイルスとは異なるため、その特徴を利用した解析法により新たな研究の展開が期待できる。申請者は、生化学的手法で解析することで、構造変化の中間体構造を推測する。
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研究成果の概要 |
エンベロープウイルス感染の瞬間、ウイルス膜と細胞膜が融合するが、その分子機構は十分に解明されていない。本研究では、コロナウイルスの膜融合タンパク質であるスパイクタンパクを可溶性レセプターおよびトリプシンとインキュベートすることで、その構造変化を実験的に誘導した。プロテアーゼ分解産物の大きさは、ウェスタンブロット分析によって推定した。これらの生化学的知見から、S蛋白の3量体は、中間状態において、典型的なホモ三量体のプレヘアピン構造ではなく、非対称の未集合構造をとり、その後最終的な構造が形成されると結論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は、ウイルス学分野の未解明問題「膜融合蛋白の活性化機構」を、生化学的手法を用いて解明することである。最近のCryoEMを用いたタンパク質の構造解析により、新しい知見が次々に報告されているが、基本的には安定した構造を解析するための手法であり、ウイルス膜融合蛋白の活性化のような、瞬間的に現れる不安定な構造こそが大きな意味をもつ現象については、肝心なところは何も解析できていないというのが実状である。本研究で用いる、生化学的データから不安定な構造を推測する手法により、より矛盾の少ない構造変化中間体モデルの構築を目指す。
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