研究課題/領域番号 |
20K07522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
服部 真一朗 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (60709484)
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研究分担者 |
安武 義晃 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20415756)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 逆転写酵素 / HBV / HIV / 核酸アナログ / 薬剤耐性変異 / 抗ウイルス薬 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス (HBV) の持続感染に起因する慢性肝炎は、肝硬変や肝がんに進展する。現在の化学療法では、HBVの逆転写酵素 (RT)を標的とした核酸アナログ製剤が標準的に用いられるようになり、予後が改善し大きな成果が挙がっている。しかし、長期投与における薬剤耐性変異出現の可能性があるため、強力な活性を発揮する新規薬剤の開発が必要である。本研究ではこれまでに我々が培ったRTと化合物の構造活性相関研究を基盤に、ウイルス学的・タンパク質構造学的解析研究を加味し、核酸アナログのHBVに対する活性・耐性発現のメカニズムを解析し、新規抗HBV薬の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
HBV逆転写酵素(RT)は、著しい不溶性のためその構造学的研究は遅々として進んでいない。本研究では、HIV RTにHBV RTのアミノ酸を導入したキメラRTを作成、さらに既報の薬剤耐性変異を導入することで、薬剤耐性化機序を構造学的・ウイルス学的に検討した。抗HBV薬であるエンテカビル(ETV)耐性変異導入で薬剤結合部位の形状が変化、立体障害を起こすことが示された。これは、この立体障害によりETV結合が減弱、感受性を低下させていることを示唆している。本研究で得られた構造情報および薬剤感受性との相関解析は、耐性変異株に対しても活性を示すような新たな核酸アナログのデザイン・開発に資すると期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、未だ成し遂げられていないHBV RTの結晶構造解析を、キメラRTを用いることで実際の結晶を取得し、詳細な構造解析を可能とし、HBV RTの構造学的特徴をより詳細かつ明確に理解でき、さらなる知見を蓄積できる。さらにウイルス学的・酵素学的解析を加味することで、生物学的な特性を詳細かつ総合的に検討できるようになる。これは薬剤の活性発揮機序やウイルスの耐性獲得機序の解明につながり、より強力かつ耐性獲得を許さない新規抗HBV薬の開発に応用・貢献すると期待できる。
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