研究課題/領域番号 |
20K07528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
西尾 真智子 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70156040)
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研究分担者 |
太田 圭介 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90625071)
松本 祐介 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00735912)
坂 直樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80867474)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ハザラウイルス / クリミア・コンゴ出血熱ウイルス / 持続感染 / リコンビナントウイルス / 持続感染細胞株 / 細胞傷害性 / 宿主因子 |
研究開始時の研究の概要 |
HAZVを使用してCCHFVの持続感染のメカニズムを分子ウイルス学的解析により明らかにすることが研究目的である。 まず、持続感染の起こりやすさを検討する。樹立した細胞株の細胞内でのウイルス蛋白発現状態や上清中のウイルス量などを検討し、持続感染細胞株の特徴を把握する。次に、持続感染細胞内のウイルス遺伝子の変異箇所を同定する。同定した変異を1つ1つ組み込んだ遺伝子組換えウイルスを作製し、見つかった変異の中で持続感染細胞株の特徴を規定している変異を同定する。 最後に、持続感染細胞株と非感染細胞よりtotal RNAを回収し、マイクロアレイ解析を行い、細胞側の持続感染に関与する宿主因子を明らかにする。
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研究成果の概要 |
クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)の持続感染機構を解明するため、CCHFVに非常に近縁なウイルスであるハザラウイルス(HAZV)をモデルウイルスとして利用し、研究を進めた。 HEK293細胞にHAZVを感染させ、15代継代培養し、持続感染細胞株を樹立したところ、上清中にウイルスが検出されなくなった。持続感染している全ウイルス遺伝子の解析をした結果、G蛋白に1箇所、L蛋白に5箇所の変異があった。リコンビナントウイルス作製により検証した結果、G蛋白の変異は上清中のウイルス量に影響がないこと、L蛋白の変異はポリメラーゼ活性に影響を与え、持続感染に必須であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CCHFVは致死性の高い人獣共通感染症の1つであるが、その危険性ゆえにあまり研究が進んでいない。HAZVはCCHFVと非常に近縁であるがBSL2で扱えるウイルスであるため代用モデルとして最適である。CCHFVは高い病原性を有するが、精液中でウイルスが長期にわたって検出される。つまり、持続感染の成立も可能であり、持続感染がどのようなメカニズムで成立するかを明らかにする事は極めて意義深い。エボラウイルスも精液中に長期にわたって検出されるが、同様のメカニズムである可能性も高いと考えている。
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