研究課題
基盤研究(C)
デングウイルス感染症は熱帯・亜熱帯地域で流行しているだけでなく、日本でも2014年、そして2019年に国内感染症例が報告され、国内外において公衆衛生上の大きな問題となっている。しかしながら未だ抗ウイルス薬がないことから新規開発が喫緊の課題となっている。本研究では、レプリコン細胞や感染性ウイルスを用いてデングウイルス複製に関与する新規宿主因子を同定し、ウイルス複製制御機構を明らかにするとともに、抗ウイルス化合物を探索する。本研究成果はウイルスの生活環の解明だけでなく、新たな創薬標的分子を見いだすことにも繋がり、より効率的な抗ウイルス薬開発へ向けての応用が期待される。
本研究では、デングウイルスのレプリコン細胞や感染性ウイルスを用いてウイルス複製に関与する新規宿主因子を同定し、ウイルス複製制御機構を明らかにするとともに、抗ウイルス候補化合物を見出すことを目的としている。今年度はまずsiRNAの導入条件(siRNAの濃度、細胞数、試薬、処理時間)を検討し直し至適条件を決定した。それらの条件のもとレプリコン細胞にsiRNAを導入し解析をおこなったところ、細胞内の標的遺伝子とタンパク質の発現量、ならびに培養上清中のルシフェラーゼ活性が有意に減少するものが認められた。
3: やや遅れている
本課題を遂行するための条件検討に予想以上に時間を要してしまったことから当初の計画に比べやや遅れている。
レプリコン細胞での再現実験を行うとともに、感染実験系をもちいてウイルス複製に関与する宿主因子を絞り込む。
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