研究課題/領域番号 |
20K07542
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小島 直也 東海大学, 工学部, 教授 (30183338)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 単核貪食細胞 / ファゴサイトーシス / IL-12 / 糖鎖 / リポソーム / 細菌細胞壁 / アクチン / マクロファージ / Liposome / Intact cell wall / mononuclear phagocyte / phagocytosis / actin / lactobacilli / オリゴマンノース被覆リポソーム / Th1免疫応答 / 樹状細胞 / 貪食 / 細胞性免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、粒子径1 μmのオリゴマンノース被覆リポソーム(OML)が、単核貪食細胞(MNP)をIL-12の産生を伴ってウイルス感染などに有効な細胞性免疫応答が誘導できるように活性化することを示してきた。しかし、粒子径0.4μmのOMLではMNPの活性化は起こらないことから、OMLの貪食がMNPの活性化に重要であると予想された。本研究課題では、粒子径だけが異なるOMLおよび乳酸菌の細菌の形状を保ったままの細菌細胞壁によるMNPの活性化と免疫応答誘導を検討するなどの研究を実施し、微生物を含む糖鎖提示粒子の糖鎖を介した貪食とMNPの活性化およびそれに引き続く細胞性免疫誘導との関連を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
ウイルス感染症予防には細胞性免疫の誘導が可能なワクチンの開発が必須である。オリゴマンノース被覆リポソーム (OML)は有効な細胞性免疫を誘導できるアジュバントとして機能する。本研究では、糖鎖提示粒子としてOML及び乳酸菌細胞壁を用いて、単核貪食細胞の活性化と糖鎖依存的貪食との関連性の解析を目的とした。 研究の結果、糖鎖提示粒子によるIL-12とTh1免疫応答誘導には600 nm以上の大きな粒子径を持つ粒子による糖鎖認識を起点としたアクチンの再構成とPhagocytosisが必須であることを示され、糖鎖提示粒子の大きさと形状が免疫応答の方向性を決定する重要なファクターであることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者は、OMLが抗原提示細胞 (MNP) からのIL-12の優先的な産生を誘導できる効率的な細胞性免疫誘導型ワクチンアジュバントとして機能することを示してきたが、糖鎖提示粒子によるMNPからのIL-12の産生誘導には到底の糖鎖だけでなく粒子の形状とサイズが必要があることを見出した。このことは糖鎖提示粒子の大きさと形状が免疫応答の方向性を決定する重要なファクターになっており、粒子上に提示された糖鎖、粒子のサイズと形状を制御することで免疫応答を制御できることを意味している。従って、本成果が細胞性免疫誘導を目的とした新たなワクチン戦略に寄与できる可能性を示したと考えている。
|