研究課題/領域番号 |
20K07556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
高村 史記 近畿大学, 医学部, 講師 (90528564)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 免疫記憶 / 滞在型メモリー / CD8T細胞 / ウイルス感染防御 / メモリーCD8T細胞 / インフルエンザウイルス / 肺粘膜 / 感染防御 |
研究開始時の研究の概要 |
肺粘膜に定着する滞在型メモリーCD8T細胞(CD8TRM)は様々な株のインフルエンザウイルスに対して感染防御効果を示す。従って、効果的な肺CD8TRM誘導・維持が新規ワクチン開発の重要な課題である。研究代表者は先行研究にて肺におけるCD8TRM分化部位を同定したが、同部位が早期に消失することでCD8TRMによる防御効果も失われてしまうことも判明した。本研究では「肺CD8TRM維持期間の延長」を最終目的とし、TRM維持に関与する肺マクロファージ及び樹状細胞の機能を解析する。また、粘膜脂質代謝環境変化の誘導によるCD8TRM維持期間の延長効果、肺CD8 RM増幅誘導による長期維持効果を検討する。
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研究成果の概要 |
肺粘膜に定着する滞在型メモリーCD8 T細胞(CD8 TRM)は様々な株のインフルエンザウイルスに対して感染防御効果を示すが、維持期間が他の組織と比較し短い。本研究では肺CD8 TRM維持のを長期化を目指すべく、その分化・維持機構の解明を目的とした。まず、感染初期には肺マクロファージが局所抗原刺激を供給することでTRM分化を促進していることを突き止めた。また、肺CD8 TRMは飢餓時においてもオートファジー非依存的に維持されることを見出した。また、アデノウイルスベクター経鼻接種にて廃墟奥所に長期抗原提示を誘導すると、循環型メモリーが抗原刺激を受け、TRMへと分化し続けることを突き止めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行のインフルエンザワクチンにより誘導される免疫応答は特定の株に対する全身性抗体反応であり、侵入部位である肺局所での感染防御効果は期待できない。また、パンデミックの要因となる大規模の変異は勿論、季節性インフルエンザウイルス株間にて頻繁に起こる小規模なウイルス表面タンパクの変異にも対応が困難であり、新規ワクチン開発が急務である。感染局所に定着する滞在型メモリーCD8 T細胞(CD8 TRM)は二次感染時に局所にて感染細胞を早期破壊することで防御免疫の最前線を担う。従って、肺粘膜にてCD8 TRMを効果的に分化誘導することが交差反応型ワクチン開発における最重要課題である。
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