研究課題/領域番号 |
20K07569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
酒井 聡 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50566081)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | lncRNA / がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 / シグナル伝達 / 肝がん悪性化 / HBV複製 / HBV / 肝線維化 / 肝がん / TGFβ |
研究開始時の研究の概要 |
ELIT-1はTGFβで誘導され、Smad3と結合して標的遺伝子の転写を促進して上皮間葉転換(EMT)の誘導に機能することを見出した。また、ELIT-1はB型肝炎ウイルス(HBV)複製時にも発現亢進した。本研究ではELIT-1がどのような分子機構でHBVによって誘導され、HBVの複製を促進しているのかを明らかにする。ELIT-1はHBVの複製、肝線維化、肝がんの悪性化への深い関与が予想され、ELIT-1を分子標的とした新しいHBV関連疾患治療薬の創生を目指す。
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研究成果の概要 |
我々が発見したlncRNA ELIT-1のHBV複製時における機能解析を研究目的とした。しかし、ELIT-1のノックダウンやELIT-1の発現阻害剤のスクリーニングから得た化合物はB型肝炎ウイルス量の顕著な低下を示さなかった。 一方で、HBV複製時に変動する別のlncRNAとしてlincNMRを見出し、DNA変異に関わるAPOBEC3Bを正に制御するがん遺伝子であることを報告した(Carcinogenesis, 2023)。さらに、がん抑制遺伝子として報告のあるLINC00173はSNAILと結合し、がん抑制遺伝子FHITの発現低下を阻害することを報告した(IJMS., 2023)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ELIT-1の発現阻害剤のスクリーニングから得た化合物はB型肝炎ウイルス量の顕著な低下を示さなかった。しかし、ELIT-1は上皮間葉転換(EMT)を促進する機能を持っている(Sakai et al., Cancer Res., 2019)。本成果で得られた化合物は、がんの転移阻害剤、肝線維化阻害剤として有用となる可能性がある。また、HBV複製時に発現上昇したlincNMRが、がんの悪性化に関わることも発見できた。今後lincNMRの発現阻害剤を探索することで、HBVを起点とする肝がんの進展阻害剤を見出すことが出来る可能性がある。
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