研究課題/領域番号 |
20K07578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
渡邉 健司 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がん生物部, 研究員 (80404333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | DNA損傷応答 / 転写機構 / がん / DNA二重鎖切断 / スプライシング / RNF168 / ユビキチン化 / DNA損傷 / RNA代謝経路 / RNA代謝 / ユビキチン |
研究開始時の研究の概要 |
DNA二重鎖切断(DSB)のごく近傍のクロマチン上でヒストンH2AXがユビキチン化されることが知られている。その際、RNF168はヒストンH2AXのユビキチン化を促進する重要なユビキチンライゲースである。このRNF168がRNA関連タンパク質のユビキチン化を介してRNA代謝経路を制御している機構と、がんの増殖進展への寄与を、主に核小体機能及びスプライシング機構に着目し解明する。従来RNF168はDNA損傷修復に関わることのみが知られていたが、本研究では新たに、がんにおいてはRNA代謝を制御する機能も持つことを明らかにする。本研究はがんに特異的な分子標的薬の開発に道筋をつける。
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研究成果の概要 |
DNA損傷応答反応の初期段階に寄与しDNA2重鎖切断部位にごく早期に集積することが知られているMDC1が通常の細胞活動においても、スプライシング複合体を制御することによって一連のRNA転写およびスプライシング反応を恒常的に制御していることを明らかにした。またMDC1をノックダウンした骨肉腫細胞株ではRNAポリメラーゼIIの転写を抑制する薬剤に対して抗感受性を示すことが分かった。これによりDNA損傷応答機構と転写制御機構やpre-mRNAスプライシング制御機構が共通の因子であるMDC1によって制御されていることが本課題によって解明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNA損傷応答反応の初期段階に寄与するMDC1が通常の細胞活動において、一連のRNA転写およびスプライシング反応を恒常的に制御していることを明らかにした。これによりDNA損傷応答機構と転写制御機構やRNA代謝経路が共通の因子であるMDC1によって制御されていることが本課題によって解明された。このことは、これらいずれの経路も活性化し薬剤抵抗性を示すことが知られている“がん幹細胞”を標的としたがんの分子標的治療開発の研究分野において、DNA損傷応答反応とRNA転写機構を標的とした効率的な治療法の開発など一定の波及効果が認めると考えられる。このようにがん研究分野での橋渡し研究が発展すると期待される。
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