研究課題/領域番号 |
20K07596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) (2021-2022) 奈良県立医科大学 (2020) |
研究代表者 |
馬淵 誠士 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), がん創薬部, 婦人科部長 (00452441)
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研究分担者 |
松原 翔 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20825236)
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40178330)
川口 龍二 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50382289)
竹田 善紀 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50825239)
三宅 龍太 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20866008)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / 免疫逃避機構 / 子宮悪性腫瘍 / 骨髄由来抑制細胞 / がん幹細胞 / 婦人科がん / MDSC / 癌幹細胞 / 好中球 / 子宮癌 / 治療抵抗性 / 好中球増多 / 抗腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究において、好中球増多を伴う子宮悪性腫瘍は、①多数の癌幹細胞(以下CSC)を含有し、②高転移性であること、③腫瘍細胞由来のG-CSFとG-CSFによって誘導されたMDSC(骨髄由来免疫抑制細胞)が①②に関与することを突き止めた。転移巣の形成にはCSCの存在が不可欠であることから、本病態において「MDSCによって誘導されたCSCは、血管内に侵入した後、循環血液中において好中球を刺激し、好中球細胞外トラップ(以下NETs)を形成させ、CSCはNetsの中に身をおくことで抗腫瘍免疫の監視を逃れ、転移先臓器において自身の血管外進展を有利にする」という仮説を立てた。本研究では、この仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
これまでの研究において、我々は、好中球増加を伴う子宮悪性腫瘍モデルにおいて、好中球/MDSC/CSCが増加していること、MDSCは、子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌細胞の癌幹細胞化を促進することを見いだした。またCSCが、Non-CSCに比して抗腫瘍免疫の監視を逃れやすい性質を有していることも明らかにした。さらに、好中球増加を伴う子宮悪性腫瘍のマウスモデルおよび子宮頸がん患者の腫瘍内において、Netosisが誘導されていることを確認した。現在、CSCまたはNon-CSCとMDSCまたは好中球を共培養することによって、両者のNETs誘導能を比較する研究は現在実施中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は「好中球増多を伴う子宮悪性腫瘍」というUnmet needを世界に先駆けて報告し、有効な治療法を開発すべく研究を行ってきた。本研究では、好中球増多を伴う子宮悪性腫瘍のマウスモデルおよび患者検体において、NETsisが誘導されていることを見いだした。これは、「好中球増多を伴う子宮悪性腫瘍の予後不良のメカニズム」の一端を明らかにするものである。研究期間内に、NETosis誘導のメカニズを解明するに至らなかったが、今後も研究を継続する。本研究の成果は婦人科悪性腫瘍のみならず、好中球増多を伴う他の悪性腫瘍の新たな治療標的(NETosis誘導機構)を示唆するものであり、医学的意義は大きいと考える。
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