研究課題/領域番号 |
20K07597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松木 崇 北里大学, 医学部, 講師 (00525511)
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研究分担者 |
多田 雄一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (70292430)
長尾 俊孝 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (90276709)
平井 秀明 東京医科大学, 医学部, 助教 (00770744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 唾液腺導管癌 / 癌免疫微小環境 / 腫瘍浸潤リンパ球 / ミスマッチ修復機構 / 高頻度マイクロサテライト不安定性 / 免疫チェックポイント阻害薬 / ペムブロリズマブ / PDL-1 / ニボルマブ / 治療効果予測因子 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液腺導管癌は高頻度に遠隔転移を生じる悪性度の高い腫瘍であるが、標準的な薬物療法は確立されていない。 近年、多くの癌腫において免疫チェックポイント阻害剤の有用性が明示され、癌微小環境における炎症細胞の浸潤が、癌の進展や予後、ならびに治療効果と関連していることが報告されている。しかし、唾液腺癌の領域では、その基礎的な解析がなされていない。 本研究は、多施設から集積した約300例の唾液腺導管癌標本を用いて、微小環境における宿主側・腫瘍側の免疫制御に関わる因子と、臨床病理学的・遺伝子的特徴との相関を解析することにより、免疫逃避分子機構の解明と、それに基づく治療法の開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
唾液腺導管癌(SDC)の腫瘍組織内における免疫チェックポイント分子の発現、免疫細胞浸潤の解析を行うことにより、(i)SDCの癌免疫微小環境の臨床病理学的意義を明らかにすること、(ii)SDCに対する免疫チェックポイント阻害薬による治療の可能性を探ることが本研究の目的である。 (i) SDC多施設共同研究に集積された根治治療が施行されたSDC症例を対象にPD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG-3の免疫組織化学染色、腫瘍浸潤リンパ球(TILs)に関する解析としてCD8、FOXP3の免疫組織化学染色、および、ミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)に関する解析としてMLH1、MSH2、PMS2、MSH6のMSI(マイクロサテライト不安定性)の免疫組織化学染色とMSIに関する遺伝子異常解析を解析する。得られた結果を根治治療が施行されたSDC症例群において、予後との関連、および、従来の研究で得られていたHER2、アンドロゲン受容体(AR)、Ki-67、p53などの臨床病理学的因子との相関関係の統計解析を行う。これに関しては、いかに報告するようにデータ解析が終了し、英文論文として採択され、出版された。 (ii) 実臨床において、唾液腺癌に対し免疫チェックポイント阻害剤を投与された多施設(9施設)のSDC症例を集積し、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果と安全性やその後の化学療法の治療効果、そしてそれらの治療効果に影響するバイオマーカーなどの因子についても解析する。これに関しては、解析と論文作成が終了し論文の再投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(i) データ解析が終了し、英文論文として採択され、出版された。 Hideaki Hirai, Yuichiro Tada, Daisuke Kawakita, Takashi Matsuki, Toshitaka Nagao, et al. Prognostic value and clinicopathological roles of the tumor immune microenvironment in salivary duct carcinoma. Virchows Arch. 2023 Sep;483(3):367-379. doi: 10.1007/s00428-023-03598-3. Epub 2023 Jul 19. (ii) 切除不能再発転移唾液腺癌症例に対するキイトルーダの治療効果とがん免疫微小環境との関連を解析した結果、奏効率、無増悪生存期間とPD-L1蛋白の発現との間に有意な関係を持つことが判明した。英文誌に初回の投稿を行ったが、2024年3月に非採択の結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、論文の校正を行っており、近日中に再投稿を行う予定である。
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