研究課題/領域番号 |
20K07600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 崇 藤田医科大学, がん医療研究センター, 准教授 (10402562)
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研究分担者 |
柳 久乃 藤田医科大学, 医学部, 助教 (40868949)
天野 睦紀 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90304170)
下野 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90594630)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | がん幹細胞 / リン酸化 / シグナル伝達 / リン酸化シグナル / 脳腫瘍 / 乳がん / 骨肉腫幹細胞 / リン酸化蛋白質 / 治療標的 |
研究開始時の研究の概要 |
がん幹細胞は自己複製能と多分化能、強い造腫瘍性、治療抵抗性といった特徴を有し、がんの再発や転移の原因とされている。申請者の所属する研究室では、乳がんの手術検体を移植した異種移植(PDX)マウスを作製することで、肝臓に自然転移するがん幹細胞を解析できる実験系を世界に先駆けて樹立した。申請者らは本PDXマウスのがん幹細胞では足場タンパク質S100が高発現しており、転移がん幹細胞ではS100の発現がさらに10倍以上誘導されることを見出した。本研究では、S100による乳がん幹細胞の特性を制御する分子機構、特に機能的リン酸化シグナルに焦点を絞り、乳がん幹細胞を標的とする治療ターゲットを提案する。
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研究成果の概要 |
がん幹細胞は自己複製能と多分化能、強い造腫瘍性、治療抵抗性といった特徴を有し、がんの再発や転移の原因とされている。近年、がん幹細胞が様々な要因で不均一性を示し、環境の変化に適応できる特定のがん幹細胞が再発や転移を担うことが明らかになっている。本研究では、遺伝子導入により人工的に作製されたがん幹細胞や、ヒト乳がん移植モデル(PDX)のがん幹細胞をモデルとした。リン酸化プロテオミクス、遺伝子発現解析、生化学や細胞生物学的な手法を用いて、がん幹細胞の不均一性を決定するリン酸化タンパク質の同定と、その機能解析を行うことで、がん幹細胞の不均一性がもたらす悪性度についての病理診断マーカーを提案する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの不均一性は遺伝的要因と非遺伝的要因により制御される。昨今の次世代シークエンサーの技術革新により遺伝的要因については研究が進んでいるもの、非遺伝的要因は不明な点が多い。本研究は、がんの再発や転移の原因とされているがん幹細胞の不均一性を制御するリン酸化シグナルの一端を明らかにした点で学術的意義が高い。 がん幹細胞はがんの再発や転移の元とされているため、がん幹細胞を駆逐することががんの根治の鍵となる。本研究で明らかになったがん幹細胞の不均一性を制御するリン酸化シグナル、リン酸化タンパク質ががんの悪性度についての病理診断マーカー、治療標的となる可能性がある。
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