研究課題/領域番号 |
20K07601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
吉田 崇 関西医科大学, 医学部, 助教 (00714966)
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研究分担者 |
田中 進 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30399472)
大江 知里 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40469242)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 一次繊毛 / IFT88 / 膀胱癌 / 浸潤性膀胱癌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細胞小器官である一次繊毛の消失が、様々な癌種の形成や進展に関わる重要な因子であることが報告されてきている。そこで一次繊毛の形成に関連するProtein Xの遺伝子発現を、ヒト浸潤性膀胱癌細胞株を用いて解析した結果、GeneYのみの発現が認められなかった。本研究では、浸潤性膀胱癌における一次繊毛の役割、特にGeneYに着目し、その解析を通じて浸潤性膀胱癌の新規治療法の開発へとつなげる。
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研究成果の概要 |
本研究では、浸潤性膀胱癌における新規治療ターゲットとして一次繊毛タンパク質、特にIFT88の役割を検討した。ヒトの検体を用いた免疫組織化学の結果、正常尿路上皮ではIFT88が高発現しているのに対し、異形成や尿路上皮癌では発現が低下または消失していることを確認した。また、Krt5陽性細胞特異的にIFT88を欠失させるコンディショナルノックアウトマウスを作成し、このマウスおよび野生型マウスにN-butyl-N-nitrosamineを投与して膀胱癌の増殖および浸潤速度を比較したところ、野生型マウスと比較して、IFT88欠失マウスでは膀胱癌の増殖および浸潤が促進されることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで国内外の研究により乳癌、甲状腺癌、基底細胞癌、膵癌で一次繊毛と各癌進展の関連性、またそれにかかわるメカニズムの解明が試みられている(Gradilone et al. Curr DrugTargets 2018)。しかしながら、膀胱癌の進展と一次繊毛との関連を示した報告はない。本研究成果は、一次繊毛を構成するIFT88欠損が非筋層浸潤性膀胱癌が筋層浸潤性膀胱癌治療へ進行する際のトリガーになり得ることを示唆し、今後の新規治療ターゲット探索において重要な研究結果となった。
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