研究課題/領域番号 |
20K07610
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 瑞生 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (90750365)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 乳癌 / 上皮間葉転換 / EMT / CRISPR/Cas9 / TNBC / Breast cancer / MET / 可塑性 / 細胞間相互作用 / トリプルネガティブ乳癌 / Basal-like乳癌 |
研究開始時の研究の概要 |
乳癌は治療戦略の異なるサブタイプに分類される。中でもトリプルネガティブ乳癌(TNBC)は既存の治療標的分子を発現せず化学療法が適応される。我々は最近、いくつかのBasal-like乳癌細胞株で上皮間葉転換(EMT)とその逆反応であるMETが起きており、上皮様細胞と間葉様細胞が一定の割合で共存していることを明らかにした。この乳癌細胞株を用い、網羅的遺伝子ノックアウトによってEMT/MET制御遺伝子を探索したところ複数の新規制御因子を発見した。本研究ではこれらの因子のEMT/MET制御機構を解析し、TNBC内でのサブタイプの決定や悪性化の機序を解明し新規治療法の提唱を行う。
|
研究成果の概要 |
上皮細胞がその特性を失って間葉系細胞の形質を獲得する上皮間葉転換(EMT)とその逆反応であるMETは癌悪性化の様々なステップで重要である。EMTは癌細胞の細胞死抵抗性や運動性を亢進させて治療後の再発や転移の初期段階である血管への移行を促進する。一方、遠隔臓器へ移動した癌細胞はMETによって上皮様形質を再獲得し活発に増殖して転移巣を形成する。本研究では乳癌におけるEMT/METの可塑性を制御する遺伝子の探索を目的としてCRISPR/Cas9とプール型gRNAによる網羅的な遺伝子スクリーニングを行い、これまでにEMT/METへの関与が知られていない種々の新規のEMT関連遺伝子を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌は転移が見られないステージ0やステージIでは予後が非常に良いにもかかわらず、転移が見られるステージII以降の症例では5年生存率が急激に低下してしまう。癌細胞の上皮間葉転換(EMT)は転移に密接にかかわることが示唆されており、本研究で実施した新しいEMT関連遺伝子群の探索は癌悪性化の機構解明に繋がるだけでなくEMTを標的とした新しい乳癌治療法開発にも寄与すると考えられ、社会的意義は大きい。
|