研究課題/領域番号 |
20K07611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
友杉 充宏 金沢医科大学, 医学部, 助教 (60533429)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | RB / コレステロール / 前立腺がん / SREBP-2 / 去勢抵抗性 / がん / 脂質代謝制御 / ドラッグリポジショニング |
研究開始時の研究の概要 |
全前立腺がんの約25%において観察されるRBがん抑制遺伝子の機能喪失が、去勢抵抗性前立腺がんにおいては70%以上の頻度で観察されることから、RB機能の喪失と去勢抵抗性獲得には機能的な関連があると考えられてきた。実際に、アンドロゲン感受性の前立腺がん細胞においてRBの発現を抑制すると、アンドロゲン除去培地における増殖能を獲得することが報告されている。本計画は、RB機能喪失によって生じる前立腺がんの去勢抵抗性獲得機序を解明し、進行前立腺がんの新規治療方法を提案することを目指す。
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研究成果の概要 |
RB機能の喪失がSREBP-2の発現上昇、コレステロールを出発点とするアンドロゲンの生合成を亢進させる可能性がある。本研究から以下の結果が明らかになった。・ホルモン除去培地におけるRb1 K.O. LNCaP細胞増殖。・Rb1 K.O. LNCaP細胞、核画分におけるAR, E2F1, SREBP-2のタンパク質発現増加。・Rb1 K.O. LNCaP細胞スフェア形成が亢進。・Rb1 K.O. LNCaP細胞増殖抑制に対してスタチンが有効。これらの結果から新規RB代謝制御機構が明らかになる事が期待され、さらには進行前立腺がんの新規治療方法開発やスタチンの適用外使用が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺がんの治療後、多くの場合は数年で耐性を獲得し去勢抵抗性前立腺がんへと移行する。去勢抵抗性前立腺がんの70%においてRBがん抑制遺伝子産物の機能が喪失し、そのことが患者の予後不良とよく相関することが報告されている(Schrecengost R., Knudsen KE., Seminars Oncology, 2013)。また、多くのがん腫において、RBの機能喪失は悪性進展を促進することが知られている。本研究結果から新規RB代謝制御機構も解明が期待される。またスタチンの有効性が期待されることから、適応外使用を含む進行前立腺がんの新規治療方法開発が期待できる。
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