研究課題/領域番号 |
20K07617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
加藤 順也 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00273839)
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研究分担者 |
加藤 規子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任准教授 (10252785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | がん抑制 / 細胞周期 / 副作用 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療には化学療法が有効であるが副作用の問題が大きい。我々が開発した抗がん剤候補化合物PGV-1は、がん細胞に対しては細胞内活性酸素種(ROS)のレベル上昇、M期の前中期での細胞周期の停止、分裂期崩壊によるアポトーシスを誘導するが、正常細胞に対する増殖抑制効果は低く、他の抗がん剤と比べて極めて毒性が低い。本研究では、新たに同定した標的分子の解析を通じて、がん細胞特異的中心体チェックポイントの分子的実態を明らかにし、ROSによる制御機構を解明する。PGV-1が標的とする「がん細胞特異的ROS依存的中心体チェックポイント」は、副作用のない抗がん剤を開発するための標的としてかなり有望である。
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研究成果の概要 |
候補化合物PGV-1は、がん細胞でROSレベル上昇、中心体チェックポイント機能阻害によるM期での細胞周期停止とアポトーシスを誘導するが、正常細胞に対しては極めて毒性が低い。本研究では、相互作用因子の解析から得た標的分子を解析し、がん細胞特異的中心体チェックポイントの分子的実態を明らかにする。PGV-1の標的候補分子は中心体に存在し、遺伝子KOはM期で細胞周期を停止させた。また、ヘテロ細胞はin vitroでPGV-1感受性が増加し、in vivoでは腫瘍形成能を失った。従って、PGV-1はこの標的分子を介してがん細胞特異的ROS依存的中心体チェックポイントに作用し、がん抑制能を発揮するとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で対象とする抗がん剤候補低分子化合物PGV-1が標的とする「がん細胞特異的ROS依存的中心体チェックポイント」は、副作用のない抗がん剤を開発するための標的としてかなり有望である。従って、実現した場合、現在の臨床現場での懸念事項(副作用による致死、適用患者の限定、治療中の社会活動からの離脱)から逃れることができる。
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