研究課題/領域番号 |
20K07621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
山田 幸司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90570979)
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研究分担者 |
吉田 彩舟 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40772744)
立花 利公 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80163476)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | タンパク質の多機能性 / 型破り分泌 / タンパク質分泌 / CUPS / 肝がん / PKCδ / 分泌 / マーカー / PKC |
研究開始時の研究の概要 |
肝がんは予後が極めて悪い疾患である。現在有効な診断・治療法の創生が求められているが、この社会ニーズを実現するためには、肝腫瘍形成の機構理解が不可欠である。申請者はこれまで分泌シグナルを持たないプロテインキナーゼCデルタ(PKCδ)が生きた肝がん細胞から型破り分泌されることを初めて見出した。また型破り分泌されたPKCδが肝がん細胞の増殖亢進に寄与することも突き止めている。そこで型破り分泌が肝腫瘍形成の機構に関与すると考え、本研究では、PKCδの型破り分泌についてその分子機構を解明するとともに肝腫瘍形成における意義を明らかにする。本研究により型破り分泌を標的とする新しいがん研究領域が創出できる。
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研究成果の概要 |
これまで、私どもはインポーティンα1やプロテインキナーゼCデルタ(PKCδ)が増殖期のがん細胞から放出されることを見出してきた。本期間内に、私どもは以下2つの大きな発見をした。一つ目はその臨床的意義である。PKCδは肝がん患者の血清中で高く検出され、健常者や慢性肝炎患者の血清中では低値であることがわかった。特に超早期がん患者で検出されることから新規バイオマーカーになる可能性が示唆される。二つ目は、分泌機構の解明である。肝がんで見られるこの細胞質タンパク質の型破り分泌の特性として、1)通常培養条件下で起きること、2)小胞体を起点として起きること、3)造腫瘍性に寄与するなどが挙げられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常、腫瘍組織の外液成分における細胞質タンパク質のほとんどは細胞膜破壊による漏出と考えられてきた。一方で本研究により、細胞質タンパク質の一部は分泌され、肝がん特異性が高く、腫瘍形成に積極的に寄与することを突き止めた。特に、プロテインキナーゼCデルタ(PKCδ)に関しては早期診断用の血液バイオマーカーになる可能性があるのみならず、細胞外PKCδまたはその分泌機構が治療標的になる可能性が高く、肝がん医療における臨床的意義は大きい。
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