研究課題
基盤研究(C)
本研究では、細胞増殖に関連するヒト上皮成長因子受容体に類似したHER2と基底膜分子ラミニン-511との細胞接着に関連する受容体CD239の複合体から、細胞の増殖と基質接着を結ぶメカニズムを解明する。HER2は、乳癌、胃癌、卵巣癌で発現上昇し、抗体医薬トラスツズマブおよびペルツズマブの標的分子である。HER2による増殖を支えるCD239の基質接着メカニズムは、癌細胞のHER2標的抗体薬に対する耐性能の解明につながると期待される。
抗癌剤に耐性の癌細胞は、抗癌剤の存在下でも細胞増殖を支えるメカニズムの存在を示している。癌細胞の増殖は、細胞外基質への接着と密接な関係があり、基質接着は抗癌剤に対する耐性に関連すると考えられている。しかしながら、細胞の増殖と基質接着を結ぶメカニズムは十分に解明されていない。本研究では、癌細胞の増殖に関連するHER2と基底膜分子ラミニンα5鎖と結合するCD239からなるHER2-CD239複合体に着目し、癌細胞の増殖と基質接着を結ぶメカニズムにアプローチした。また、骨格筋におけるCD239機能、CD239のリガンドであるラミニン-521の糸球体における機能などについても明らかにした。
多細胞生物の機能的な組織は、細胞と細胞の接着だけではなく、細胞と細胞外基質との基質接着が求められる。また癌組織では、癌細胞の基質接着が細胞増殖および抗癌剤耐性に関連すると考えられている。研究代表者は、乳癌の悪性化の指標であるHER2とCD239による複合体を見出してきた。CD239は、細胞外基質であるラミニンα5鎖の特異的な受容体であり、細胞を接着させることができる。本研究により、HER2による細胞増殖を支えるCD239の基質接着メカニズムが明らかになれば、HER2標的抗体薬に対する癌細胞の耐性だけでなく、機能的な組織の基質接着メカニズムの解明につながると期待される。
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