研究課題/領域番号 |
20K07626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
大橋 愛美 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 分子薬理部, 主任研究助手 (50727427)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | サイクリン依存性キナーぜ / RNAポリメラーゼII / 転写調節 / 細胞死 / 分子標的薬 / サイクリン依存性キナーゼ / 低分子阻害薬 / 細胞周期停止 |
研究開始時の研究の概要 |
特定のがんに著効し正常細胞に殆ど影響を与えない治療標的を見出すため、39種類のヒトがん細胞株(JFCR39)のうち4種類の細胞株にのみ非常に低濃度で細胞死を誘導する、海洋天然物ラメラリンNの合成誘導体Azalamellarin 4(Azalam4)に着目した。本剤はサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害するが、認可CDK4/6標的抗がん剤とは増殖阻害様式が異なる。 Azalam4の抗がん機構を、JFCR39オミックスデータならびにAzalam4やCDK阻害剤処理後に変動する遺伝子発現・蛋白質発現・細胞周期の解析によって明らかにし、「分子標的」・「効果予測バイオマーカー」・「治療薬候補物質」を見出す。また治療薬候補物質の抗がん効果を動物モデルで検証する。
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研究成果の概要 |
海洋天然物ラメラリンNの新規合成誘導体から、ナノモルレベルでサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を広く阻害する化合物(Azalam4)を見出した。本剤は、調べた39種のがん細胞株のうち4種にのみ低濃度でアポトーシスを伴う強い抗がん効果を示し、先行開発された複数の転写調節型CDK阻害剤と抗がん特異性や遺伝子発現変動が類似した。また、上記のがん細胞株に対して動物モデルでも著効した。本剤は、他のCDK阻害剤と比較して最も高い抗がん特異性を示したことから、本剤をリードとした新たな転写調節型CDK阻害剤の開発が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、Azalam4や先行して開発された転写調節型CDK阻害剤が、高い細胞特異性でアポトーシスを誘導する抗がん剤候補であることが示された。現在、Azalam4を含む転写調節型CDK阻害剤の薬効予測を実現するために、アポトーシス誘導を起こす細胞特異性を規定する分子の探索を進めている。これにより、転写調節型CDK阻害剤の開発が加速化するとともに、転写調節型CDK阻害剤の治療効果が高い患者の層別化に役立つものと考えられる。
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