研究課題/領域番号 |
20K07636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
木下 理恵 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40518297)
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研究分担者 |
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70379840)
小林 和子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20304298)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | antibody / inflammation / cancer / metastasis / がん / がん転移 / 抗体医薬品 / S100A8/A9 |
研究開始時の研究の概要 |
S100A8/A9は、好中球の細胞内タンパク質の約50%を占めるタンパク質であり、炎症環境において強く発現が誘導され、がん微小環境の構築に重要な役割を果たす。 申請者らは、S100A8/A9のヘテロダイマー構造特異的なモノクローナル抗体および複数のS100A8/A9受容体の細胞外領域と抗体のFc領域を融合させたタンパク質をがん転移治療薬として開発した。 本申請では、がん転移前微小環境の悪性化におけるS100A8/A9の役割を解明し、S100A8/A9抗体治療薬の実用化に向けて研究を進める。
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研究成果の概要 |
S100A8/A9タンパク質は、主に好中球や単球などに由来するる炎症メディエーターである。我々は、S100A8/A9のモノクローナル抗体をがん転移治療薬として開発した。そしてS100A8/A9が、がん微小環境を制御するメカニズムの解明を目指し、In vitroでは、マクロファージへのS100A8/A9添加により有意に発現が変動する遺伝子をRNA-seqを用いて網羅的に解析した。In vivoでは、複数のがん種由来の細胞株を用いて皮下腫瘍マウスモデルを作製し、最も腫瘍内S100A8/A9濃度が高い膵がんモデルにおいて、開発したS100A8/A9抗体の原発巣における腫瘍縮小効果を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発した抗S100A8/A9抗体は、強力な抗炎症作用をもち、様々な炎症性疾患治療薬として実用化される可能性をもつ。先行してIPF(特発性肺線維症)およびIPF急性増悪について有意な治療効果を示し、ヒト化抗体を作製している。本研究成果により、RNA-seq解析の手法を用いて、S100A8/A9が炎症性疾患を増悪するメカニズムの一端が解明され、マウスモデルの実験データからがん転移治療薬としての開発抗体の可能性が示された。
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