研究課題/領域番号 |
20K07646
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
川畑 茂 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (90393454)
|
研究分担者 |
藤阪 保仁 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (50411369)
小野 富三人 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (70743996)
伊藤 隆明 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70168392)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 小細胞肺癌 / シグナル伝達PI3K/Akt/mTOR経路 / mTOR阻害剤 / 免疫チェックポイント阻害剤(がん免疫療法) / PI3K/Akt/mTOR経路 / Small cell lung cancer / Cancer immunotherapy / Translational research / Signal transduction / mTOR |
研究開始時の研究の概要 |
小細胞肺癌は悪性度が高く、分子標的薬やがん免疫療法の効果は不明であった。2019年度、従来の殺細胞性抗がん剤と免疫チェックポイント阻害剤(がん免疫療法)の併用療法が実臨床として認可された。しかしその効果は非小細胞肺癌ほどに至っておらず、より有効な治療法の確立が必要である。The mammalian target of rapamycin (mTOR)はタンパク質kinaseで、細胞増殖・脂質代謝・タンパク質合成・免疫制御などで機能し、異常なmTORシグナル伝達はがんなどの病態に関与している。本研究では小細胞肺癌におけるより有効ながん免疫療法の確立を目指し、mTOR阻害剤併用の有用性を検証する。
|
研究実績の概要 |
2020年度から現在にかけて、「小細胞肺癌細胞において、mTORとPD-L1にどのような相互関係があるのか?」の問いに対して、「小細胞肺癌細胞株を用いた、PI3K/Akt/mTOR活性ならびにPD-L1における相互作用の解析」を目的として挙げ、検証中である。具体的には小細胞肺癌細胞株を用いて、mTOR活性の阻害ならびに免疫チェックポイント阻害剤(ICI: Immune Checkpoint Inhibitor; がん免疫療法)による抗腫瘍効果を、WST-1 Cell Proliferation Assay Kit (Roche Diagnostics; IN, USA)により評価している。mTOR活性阻害による抗腫瘍効果は確認されているが、ICIによる抗腫瘍効果は確認中である。mTOR阻害剤とICIの相乗効果に関しては、CalcuSyn software (HULINKS Inc.; Tokyo, Japan)を用いて検証中である。2020年度の研究成果を加味し、mTOR阻害剤による小細胞肺癌細胞への抗腫瘍効果とそのメカニズムについて論文発表を行った(Anticancer Res. 41: 91-99 2021)。現在は小細胞肺癌株でのclassical typeとvariant typeにおいて、mTOR阻害による増殖抑制効果・シグナル伝達カスケードの変化・形質の変化を比較検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小細胞肺癌株の種類によってmTOR阻害剤ならびに免疫チェックポイント阻害剤の抗腫瘍効果が異なり、相乗効果を示唆するまでの抗腫瘍効果が発揮されない場合がある。小細胞肺癌株の種類によって神経内分泌形質を誘導する転写因子の発現が様々であり、そのことがこれらの阻害剤の効果に影響している可能性が考えられる。現在は小細胞肺癌株でのclassical typeとvariant typeにおいて、mTOR阻害による増殖抑制効果・シグナル伝達カスケードの変化・形質の変化を比較検討中であるが、様々な細胞株において一定の所見が確認されていない。また小細胞肺癌患者由来の腫瘍組織移植PDX(patient-derived xenograft)マウスモデルを用いた検証に遅れが出ている。
|
今後の研究の推進方策 |
小細胞肺癌株の種類よる神経内分泌形質を誘導する転写因子の発現を検討し、mTOR阻害剤ならびに免疫チェックポイント阻害剤の抗腫瘍効果が得られる細胞株とそうでない細胞株を追加評価する。最も相乗効果が得やすい細胞株を用いて検証し、そのメカニズムを評価する目的で、小細胞肺癌株でのclassical typeとvariant typeにおいて、mTOR阻害による増殖抑制効果・シグナル伝達カスケードの変化・形質の変化を比較検討している。小細胞肺癌患者由来の腫瘍組織移植PDX(patient-derived xenograft)マウスモデルを用いた検証を検討中である。
|