研究課題/領域番号 |
20K07649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (70222552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ネオアンチゲン / 次世代シークエンサー / がんのドライバー変異 / がん免疫療法 / MHC安定化試験 / がんドライバー遺伝子変異 / HLAタイピング / ゲノム編集 / 腫瘍内浸潤リンパ球 / ドライバー変異 / がんゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
2014年より静岡がんセンターにて実施しているがん患者の網羅的ゲノム解析研究 (Project HOPE) においてすでに5,000例を超えるがん患者が登録されている。我々は、HOPE登録患者の遺伝子解析(HLA-DNAタイピングを含む)にて同定されたドライバー変異(TP53, KRAS, EGFR, PIK3CA, BRAF)のミスセンス2850個の配列をもとにin silicoのHLA結合予測アルゴリズムを用いてネオアンチゲン候補ペプチド配列の同定を行う。HLAとのマッチングを考慮した細胞障害性T細胞アッセイを経て最終的に30-40個のネオアンチゲンぺプチドパネルを作製することを目的とする。
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研究成果の概要 |
がんのドライバー変異由来のネオアンチゲンの同定については、まだ網羅的な解析はなされていない。我々は、ゲノム解析研究であるHOPEプロジェクトの5,143症例の変異解析データより、5つのドライバー変異(TP53, EGFR, PIC3CA, KRAS, BRAF)由来の1万種類以上のペプチド変異配列からin silico 技術を利用してHLAクラスIにマッチする138個の候補ペプチド配列を同定した。次に不死化B細胞株からゲノム編集技術を用いて樹立した単一HLAクラスI遺伝子発現クローンを利用したMHC安定化試験を実施し、最終的に27個のドライバー変異由来ネオアンチゲン候補ぺプチドを同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年免疫チェックポイント抗体を用いた標準治療が次々と確立され,進行がんの患者においても延命効果が明らかになっているが、副作用の問題も指摘されている。一方がんワクチン療法は、副作用はほとんど持たないが、単独では、奏効率が低く完全な臨床応用までには至っていない。しかし、次世代シークエンサーの普及によりがんの遺伝子解析が網羅的に施行され、がんの遺伝子変異配列に基づくネオアンチゲンが同定されるようになり、臨床応用に向けて世界的な研究が開始されている。近年これらのネオアンチゲンワクチンと免疫チェックポイント抗体の併用によりさらなる延命効果も報告されており、将来的に有望な複合的免疫療法と考えられる。
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