研究課題/領域番号 |
20K07653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
岩淵 禎弘 和歌山県立医科大学, 医学部・先端医学研究所, 講師 (80597922)
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研究分担者 |
本多 政夫 金沢大学, 保健学系, 教授 (00272980)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肝細胞腺腫 / 肝細胞癌 / 1細胞遺伝子発現解析 / PLA2G2A / 包括的1細胞遺伝子解析 / 1細胞解析 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞腺腫(HCA)は稀な良性腫瘍であり日本では年間1200人程度と推定されている。HCAから悪性度が高い肝細胞癌(HCC)への移行は10%程度であり、MRIや肝生検の迅速病理組織学的診断ではHCAとHCCの差別化は難しいとされている。HCAには多数の亜型が存在し、診断を確定できる特徴的な発現遺伝子も少ない。 本研究では肝生検で得られる細胞を1細胞化し、網羅的な遺伝子解析により新たな亜型HCA診断となりうる診断マーカーや細胞集団を3例で同定する。得られた結果を病理学的組織染色ならびに1細胞から安価で早いバルクRNA-seqでも特徴マーカーが認められるのか等、臨床応用を目指した研究となる。
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研究成果の概要 |
肝細胞腺腫はまれな良性腫瘍であり日本国内では10万人に1人程度である。肝細胞腺腫から肝細胞癌への移行は統計学的に4.7-10%であり、診断医が両者の見分けがつかない場合は肝細胞癌疑いとして肝切除が実施される。肝細胞腺腫に特徴的な遺伝子マーカーが見つかれば、侵襲的な手術をせずに適切な保存療法が選択される。本成果では新鮮な肝細胞腺腫、肝細胞癌組織を数症例分散し、個々の1細胞における遺伝子発現解析結果を比較して新たな肝細胞腺腫マーカーPLA2G2Aなどを同定した。また肝細胞腺腫と診断された過去の症例のパラフィン包埋された固定標本に対して、PLA2G2A抗体による染色を実施して検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現状は造影MRI診断などから腫瘍サイズが5cm以上と大きい場合、肝細胞腺腫疑いと診断されても肝生検をせずに肝細胞癌へのリスクがある10%程度の可能性を考慮して肝切除が優先される。悪性度の低い肝細胞腺腫であれば、肝切除を回避して亜型毎の温存治療 (経口避妊薬の場合は中止など)も提示でき、肝切除対象のケースでも根治するためにHCCリスクへの予防遺伝子治療などに期待できる。 今後は本研究成果で見出した新規HCAマーカー候補を新たに診断されるHCA疑い症例に対して遺伝子発現解析や免疫組織化学的染色などで更に詳細に調べることで、再検証する。
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