研究課題/領域番号 |
20K07663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
田口 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (80243260)
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研究分担者 |
阪口 晃一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00405284)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 癌治療関連骨減少 / CTIBL / スクレロスチン / ロモソズマブ / 乳癌 / 補助ホルモン療法 / 骨粗鬆症 / WNTシグナル / 骨修飾薬 / 細胞増殖 / 上皮間葉転換 / 骨密度 / 骨折 / 閉経後乳癌 / アロマターゼ阻害剤 / 骨吸収抑制薬 |
研究開始時の研究の概要 |
癌治療による骨密度の減少とそれに伴う骨折などの骨有害事象により乳癌患者の生命予後が有意に悪化することが判明している。特に閉経後乳癌の術後アロマターゼ補助療法による骨減少は多数の患者の死亡リスクを高めていて、それに対するロモソズマブの有用性が確認できれば、増加し高齢化が進む癌サバイバーのQOLと予後の改善に繋がることが期待される。
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研究実績の概要 |
スクレロスチンの抗体薬であるロモソズマブの癌治療関連骨減少(cancer treatment induced bone loss、CTIBL)に対する有効性を検討するにあたり、乳癌患者への投与に際して乳癌の微小転移細胞を刺激してはいけないため、その影響を乳癌細胞株利用して、乳癌サブタイプ別に増殖活性や悪性度の上昇をin vitro で確認したが、いずれも認めなかった。この結果は2022年の第30回日本乳癌学会にて発表した。 この結果を踏まえ、人への有用性を確認するために臨床試験を開始し、ホルモン受容体陽性の閉経後乳癌術後患者の登録を開始していたが、コロナ禍のため対象患者数の減少と症例登録の進捗不良があり、予定の登録症例数が増加しなかったが、参加施設を府立医大以外に1施設追加し、症例登録が進みつつある。しかし、2023年度中判頃までは依然としてリクルート可能な症例が少なく、年度末までは予定症例数の30%未満に留まった。 このため登録症例数を増やして臨床試験を完結するために研究期間のさらなる延長を決断した。 またCTIBLの効果的な治療法の開発が本臨床試験の目的であるが、その必要性について日本では乳癌のCTIBL患者の骨密度低下が証明されているが、予後、特に骨折率の増加については確認されていなかった。この点を確認するために実臨床データを利用してプロペンシティースコアマッチングを使った後ろ向き解析を実施した。しかし、結果的には骨折率の増加を有意に確認することはできなかった。本内容は論文発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の前半部分である抗スクレロスチン抗体であるロモソズマブの乳癌細胞への作用、特に増殖活性や悪性度の変化を検討するin vitro研究は終了し、増殖活性や悪性度を上昇させることの無いことが確認され、学会発表もおこなった。 この結果をもとにロモソズマブの臨床応用として乳癌患者の癌治療関連骨減少に対する有用性を確認する臨床試験をはじめたが、コロナ禍の影響が2023年度中判まで続いていて、症例登録進捗の回復が十分でなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ロモソズマブの乳癌患者の癌治療関連骨減少に対する有用性を実証する臨床試験が予想外にコロナ禍の影響が強く、長引き、症例登録が満足に進まなかった。 そのため本年度は登録症例数の増加を狙って参加施設を4倍に増やして症例のリクルートを強化し 積極的な症例登録を進め、研究の目的達成を目指すつもりである。
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