研究課題/領域番号 |
20K07666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
割田 友子 関西学院大学, 生命環境学部, 講師 (00753112)
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研究分担者 |
大谷 清 関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (30201974)
割田 克彦 鳥取大学, 農学部, 教授 (40452669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | スタチン系薬剤 / がん細胞 / ドラッグリポジショニング / スタチン感受性 / HMGCR / スタチン / 制がん効果 / HMGCRタンパク分解誘導 / ヒドロキシメチルグルタリルCoA / HMGCR分解誘導剤 / 薬剤感受性 / メタボローム / HMG-CoA / がん微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
スタチンは高コレステロール血症の治療薬であるが、有効ながん治療薬になる可能性が報告されている。申請者らはE-カドヘリンをもつ上皮系のがん細胞はスタチン耐性であることを報告した後、がん代謝物に着目しメタボローム解析を実施した結果、スタチン感受性がん細胞は耐性がん細胞に比べてHMG-CoAの代謝量が少ないことを見出した。本研究ではE-カドヘリンの有無とHMG-CoAの代謝量の情報を組み合わせたスタチン適応がんの分類を行い、さらに代謝ストレスの高い微小腫瘍塊へのスタチンの効果を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
スタチンが抗腫瘍薬として有効となり得るがん細胞の特性について解析を試みた。HMG-CoAを合成するHMGCS1の発現は耐性株で高かったが、耐性・感受性株ともにスタチン処置による変動は大きくなかった。HMG-CoAを基質とするHMGCRの発現はスタチン処置により両細胞株ともに有意に増加し、HMGCRの分解を誘導するとスタチンの制がん効果が増強した。また、スタチンはがん細胞を酸化ストレスに脆弱にさせる可能性が示唆された。本研究より、スタチン耐性株は、HMGCS1発現が高くスタチンによるHMGCR阻害を凌いで細胞内HMG-CoA量を維持し、また、酸化ストレスに対して巧妙に応答する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スタチンは、脂質異常症の治療薬として実績のある既存薬であり、副作用のデータも蓄積されていることから、ドラッグリポジショニングによるがん治療への応用が期待できる薬剤である。しかし、スタチンはすべてのがんに制がん効果を発揮するわけではなく、スタチンが奏効するがんを診断するための細胞特性の同定が必須である。本研究では、臨床応用に繋げていくために、がんにおけるスタチン適用範囲を拡げるべく、がん細胞のスタチン感受性の増強を試みたことに意義がある。
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