研究課題/領域番号 |
20K07688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
米田 和恵 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80724806)
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研究分担者 |
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 悪性胸膜中皮腫 / 遺伝子解析 / 免疫微小環境 / 原発性肺癌 / 循環腫瘍細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
「がん免疫治療」は、多種のがんにおいて新しい治療選択肢となったが、そのうち効果が得られるのは2~3割に過ぎず、耐性化を含め有効性を予測可能な因子は未だ無い。その理由として、腫瘍とその周囲の免疫環境は治療などの状況に応じて変化することがあげられる。 本研究では、肺癌などの胸部悪性腫瘍において末梢血中の循環腫瘍細胞(CTC)を分離・検出する”CTC-chipシステム”等を応用し、低侵襲的に採取可能な血液や胸水等の液性検体と腫瘍局所組織での腫瘍免疫状況の関連を明らかにし、腫瘍免疫微小環境のモニタリングが可能かどうか検証する。
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研究実績の概要 |
悪性腫瘍の治療において、診断時の組織を用いたプロファイリングは治療効果の予測に一定の有用性が認められるが、治療により変化する腫瘍微小環境を経時的に捉えることは困難である。本研究では、原発性肺癌や悪性胸膜中皮腫を含む胸部悪性腫瘍における腫瘍局所の免疫微小環境を、繰り返し採取可能な血液や胸水などの液性検体を用いてモニタリングすることが可能かどうか検討を行いたい。これまで、腫瘍局所における腫瘍細胞及び免疫関連細胞の状況を調べるため、悪性胸膜中皮腫のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)検体を用いて検討を行ってきた。FFPE組織において、レーザーマイクロダイセクションにより腫瘍細胞と免疫細胞を含む周囲の細胞の分離を試みたが、腫瘍細胞に近接したリンパ球を分離することが困難であった。そのため、代替法としてFFPE組織の細胞を分散させ、腫瘍細胞とリンパ球を含む周辺細胞を分離する方法の検討を行った。50μm厚のFFPE切片をMiltenyi Biotec社のgentleMACS Dissociator及びFFPE Tissue Dissociation Kitを用いて処理し、分散した細胞から抗cytokeratin抗体結合マイクロビーズで腫瘍細胞を磁気分離した。分離した腫瘍細胞とそれ以外の細胞におけるゲノムコピー数解析により腫瘍細胞がその他細胞と分離できていることが確認できた。今後は更に免疫細胞の分取により、その特徴を反映する液性マーカーの探索を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度新型コロナウイルス感染症の影響等により研究開始が大幅に遅延した。また、研究機関及び所属変更により研究環境の再構築に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
効率良く研究を遂行できるよう、研究環境の整備を進める。 対象疾患を胸膜中皮腫に絞る。
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