研究課題/領域番号 |
20K07691
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木下 一郎 北海道大学, 大学病院, 教授 (40343008)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | エピジェネティクス / SWI/SNF / SMARCA4 / HDAC inhibitor / CDK4/6 inhibitor / MTOR / everolimus / EZH2 / 固形がん / Everolimus / KDM5 / HDAC / CDK4/6 |
研究開始時の研究の概要 |
クロマチンリモデリングを担うSWI/SNF複合体のサブユニットの変異・欠失が固形腫瘍全体で20%を占めることが明らかとなった。SWI/SNFはヒストン修飾酵素EZH2とエピジェネティックな拮抗作用を有しており、SWI/SNFの異常がEZH2阻害薬のバイオマーカーとなる可能性がある。本研究では、SWI/SNFが、他のヒストン修飾酵素KDM5に対しても、エピジェネティックな拮抗作用を有しているとの仮説を立て、SWI/SNF異常を有する細胞に対するEZH2阻害薬とKDM5阻害薬の併用効果を検討する。さらに、SWI/SNFサブユニット変異のバイオマーカーとしての意義を検討する。
|
研究成果の概要 |
SWI/SNF異常を有する細胞を主体とした肺癌細胞で、HDAC阻害薬によるエピジェネティクス標的治療の抗腫瘍効果が、CDK4/6阻害薬との併用で相乗的に増強した。同併用療法において、相乗効果の見られる細胞に共通に高発現しているエフェクター分子の候補が同定された。また、SWI/SNFの主要構成因子であるSMARCA4遺伝子の変異を有する肺がん細胞は、clone増殖能がMTOR経路に依存し、MTOR阻害療薬による高い抗腫瘍効果が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EZH2阻害薬を含むエピジェネティクスを標的とした治療の固形腫瘍における有効性は限定的である。本研究では、固形腫瘍全体で20%を占めるエピジェネティクス関連因子SWI/SNF複合体に着目して、エピジェネティクス治療の改善を目指した。SWI/SNFの異常を有する固形腫瘍を主体として、HDAC阻害薬によるエピジェネティクス標的治療の効果が、CDK4/6阻害薬との併用で、相乗的に増強する可能性が示唆された。また、SWI/SNFの主要構成因子であるSMARCA4変異陽性腫瘍において、MTOR阻害薬の治療効果が高く、エピジェネティクスを標的とする治療との併用薬の候補となる可能性が示唆された。
|