研究課題/領域番号 |
20K07713
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
岡村 純也 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (30447594)
|
研究分担者 |
王 鋼 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (40274831)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 物体認識 / TE野 / TEO野 / 神経細胞集団 / 機械学習 / 神経細胞 / 多点記録電極 / 下側頭葉皮質 / 三次元物体認識 / 観察角度 / 内因性光計測 |
研究開始時の研究の概要 |
三次元物体の像は観察角度に依って変化する。しかし、我々は物体像の変化に依らず同じ物体を認識し、良く似た別の物体と区別できる。本研究は、観察角度に依らない物体認識の脳内メカニズムを明らかにし、機械学習を用いて三次元物体認識のための人工知能システムを構築することを目的とする。同じ観察角度で良く似た物体の弁別を経験すると、物体視の最終段に位置する脳領域の神経細胞が観察角度許容性を持って物体に反応することが分かっている。本研究では、異なる観察角度像に反応する神経細胞集団の同期的な活動が観察角度に依らない三次元物体認識に関わることを明らかにし、機械学習から物体認識のための人工知能システムを構築する。
|
研究成果の概要 |
ニホンザルの側頭連合野に位置するTE野は物体の情報が処理される最終段の領域である。TE野の細胞集団、及びTE野に主に入力するTEO野の細胞集団の活動を解析した。同じ観察角度で弁別経験した物体に対し、TE野の単一神経細胞は30-60°の観察角度許容性を持って応答することが報告されている。機械学習を用いてTE野の細胞集団の活動を解析したところ、異なる観察角度像の連合学習を経験した物体、同じ観察角度で弁別経験した物体に対し60°程度の観察角度許容性を示した。一方、TEO野の細胞集団の活動を解析したところ、観察角度許容性を示さず、観察角度許容性はTE野で表現される視覚機能であることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
観察角度が変わると物体の網膜像が大きく変化する。しかし、私たちは観察角度の変化に関わらず同じ物体をよく似た別の物体から区別できる。この観察角度に依らない物体認識が脳のどの部位で形成されるかを本研究課題では明らかにした。物体視の最終段に位置するTE野の神経細胞集団において観察角度許容性が表現され、TE野に入力するTEO野の神経細胞集団では表現されていなかった。このことから、観察角度許容性は物体視の最終段に位置するTE野において表現される視覚機能であることが明らかになった。
|