研究課題/領域番号 |
20K07715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
林 勇一郎 関西医科大学, 医学部, 博士研究員 (90378737)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 前頭前皮質 / カルシウムイメージング / 学習 / 報酬学習 / 空間記憶 / 記憶 / 長期記憶 / 顕微鏡 / 前頭前野 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳皮質における記憶の長期保存の仕組みは不明な点が多い。例えば、記憶のコーディング様式として、個々のニューロンの安定な活動パターンとして記憶が維持される可能性、もしくは、個々のニューロン活動は不安定だが多数のニューロンの集団的活動として情報が保持される可能性が考えられる。この問題についていくつかの研究が行われているが統一的な見解は無いようである。本研究では空間記憶に着目し、タスク実行中のマウス前頭前野からカルシウムイメージングを行い、神経活動を1細胞分解能で長期的に記録し、空間記憶関連ニューロンの活動安定性について解析する。
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研究成果の概要 |
げっ歯類の海馬では特定の空間環境でのみ活動するニューロンが発見されており、それらは空間環境の記憶に関与している可能性がある。海馬で形成された記憶は大脳皮質で長期保存されると考えられており、大脳皮質における空間情報の表現は興味深い問題である。 そこで4つの空間環境におけるマウス mPFCの活性を記録した。海馬CA1とは異なりmPFCニューロンの大部分は不活性 (45%) あるいは4環境で活動 (52%) し、1-3個の環境で活動したニューロンは極少数であった (3%)。 また、活動を示した環境の数は時間とともに大きく変動した。これらの結果は、mPFCにおける空間環境表現は海馬と異なることを示す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間を含む多くの動物には空間を認識する能力があり、様々な感覚と記憶を頼りに自分がどんな空間のどこに居るかを知ることができる。この能力が損なわれると社会生活に著しい不都合が生じる。海馬には空間内の場所特異的に活動するニューロンが存在し、場所感覚の基盤をなしていると考えられているが、空間を識別し自分の位置を知る脳内機構は現在も良くわかっていない。一方、大脳皮質にも空間特異的に活動するニューロンが見つかっており、脳の空間認識機構についてより幅広く調べるため、本研究では海馬と大脳皮質の場所表現の違いについて研究した。
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