研究課題/領域番号 |
20K07716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
栗川 知己 関西医科大学, 医学部, 助教 (20741333)
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研究分担者 |
半田 高史 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (40567335)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 神経系の領野間通信 / リカレントニューラルネットワークモデル / 詳細局所神経回路モデル / 力学系理論 / 領野間相互作用 / 領野間通信 / 運動野 / 線条体 / 抑制性細胞 / データ同化 / 海馬 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の神経系の情報処理は、何らかの定まった情報処理を担っている細胞が集まって、全体の処理を行う静的な描像であった。しかし近年、一つの細胞をみてもタイミングや試行によって行っている情報処理が変化する動的な側面が明らかになっている。このような動的な情報処理が神経系においてどのような役割をになっているのかは、まだまだ不明な点が多い。 本研究では、“動的な細胞集団発火パタン=軌道構造”を通じて複数の領野間での情報のやりとりをどのように行うのか、という点に関して、スパイクニューロンモデルを用いた数値シミュレ ーションと、実験データでの検証で明らかにする。
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研究成果の概要 |
3種類の抑制細胞と単一の興奮性細胞を含むニューラルネットワークモデルを構築することができた。まず、具体的な対象として海馬と内側嗅内皮質を選んだモデルを用いて、動的な領野間の通信を制御できることを示した。さらに、このような動的な通信が行える条件が、結合パタンなどの解剖学的な特徴として同定できるかを解析した。その結果、PVからSOM(あるいはLTS細胞)への結合強度が重要であることを示した。 さらに、内側前頭野―背側線条体間の神経活動のデータの解析も同時に行い、線条体の数十ミリ秒前の活動が皮質-線条体間のsynergistic informationに相関していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、様々な測定方法や神経活動のリアルタイムデーコンディング方法の急速な進展により、認知機能を遂行中の神経系がどのように活動しているかはかなり理解されてきている。しかし、これらは現象論的であり、その背後にある機構が何なのかはまだまだ発展途上にある。とくに、神経系は複数の領野が協同して活動することで認知機能を発現していることは明らかであるが、領野間でどのように協同しているのかという点はよくわかっていない。本研究では、この点についてモデルとデータを組み合わせて取り組む研究であり、その成果は様々な局面で測定されている神経活動の背後にある機構解明につながると期待される。
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