研究課題/領域番号 |
20K07718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 帝京大学 (2022-2023) 国立研究開発法人情報通信研究機構 (2020) |
研究代表者 |
中井 智也 帝京大学, 先端総合研究機構, 客員研究員 (60781250)
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研究期間 (年度) |
2022-01-04 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | fMRI / 数学 / 人工ニューラルネット / 符号化モデル / 頭頂間溝 / MRI / 機械学習 / ニューラルネット / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、数学能力の神経基盤を、以下の段階を経て明らかにする: (1)数学能力の脳機能モデルとしてのニューラルネットワークモデルを構築する。 (2)実験参加者が数学課題実行中のMRI計測を行う。課題内容からニューラルネットワークにより抽出した特徴量と脳活動の多変量線形回帰により符号化モデルを構築し、各特徴量の脳情報表現を検討する。 (3)脳活動の予測精度を元に、複数のニューラルネットワークモデルのうちヒトの脳機能に最 も近似したモデルを調査する。 (4)構築した符号化モデルの一部の構造を崩すことにより、仮想的な脳機能への影響をシミュレートする。
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研究成果の概要 |
本研究は、数学能力の認知神経基盤を複数の観点から明らかにした。まず、形式によらない数学演算の脳表現が演算子カテゴリーモデルにより得られることを示し、さらに人工ニューラルネットモデルによって数学課題中の脳活動を予測する定量モデルを構築した。続いてフランスとの国際共同研究により、5歳児および8歳児を対象とした発達脳機能データをもとに、数年の義務教育によって数処理に関する脳表現が変化することを明らかにした。続いて理論言語学を応用した学際共同研究を通じて、数式の統語構造を統一的に説明する理論を発表した。これらの成果はPLOS Biology誌をはじめとする複数の国際誌において掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近年発展が著しい人工知能技術と脳機能イメージング技術を融合させて数学能力に関するモデルを構築した世界初の成果である。また、数学は先端的な人工知能技術を理解するためには必要不可欠であり、数学能力の個人差の脳神経機序を理解することは、効率的な数学学習や計算障害の鑑別に役立つ可能性がある。特に本研究で明らかになった5歳児および8歳児の数処理の脳機能は、数学教育の初期段階において脳機能の変化を定量的に調べることができることを示している。このような発達脳機能データを人工知能技術と組み合わせることにより、将来的により精度の高いモデル構築につながることが期待される。
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