研究課題/領域番号 |
20K07721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田邊 宏樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (20414021)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 社会脳科学 / 社会的相互作用 / リアルタイムコミュニケーション / ハイパースキャニング / 機能的MRI / 脳活動の同期 / リアルタイム相互作用 / コミュニケーション / 相互作用 / ダイナミクス / ハイパースキャン / 脳波 |
研究開始時の研究の概要 |
社会性の一側面が現れるコミュニケーション場面でのやりとりは、リアルタイム性を持ちダイナミックで相互作用的である。その神経基盤を探るため近年多くの研究がなされているが、実験デザインや用いる装置、解析手法の違いによりその統一的な理解にはほど遠い。また刻々と変化する関係性についての神経ダイナミクスを探る手法は手つかずである。そこで本研究では、さまざまな脳機能計測手法に適用できる二者相互作用課題を新たに考案・実施するとともに、階層的に組織化されたネットワークダイナミクスの視点を取り入れた解析法を開発し、二人称視点による自他相互作用神経メカニズムの統合的理解を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究において,過去のハイパースキャン研究の実験デザインと解析法を詳細に検討し直し,相互作用する二者のハイパースキャンfMRI実験により得られたデータに対する新たなネットワークダイナミクスを扱える手法を構築,開発した。例として,健常者同士のペアと高機能自閉スペクトラム症(ASD)者と健常成人のペアがそれぞれ共同注意課題を行っている際の脳活動データを解析し,健常成人ペアでは以前の解析で見られた以外の部位でも二者の脳活動の同期の増強や,これまでの解析では全く脳活動の同期が見られなかったASDと健常成人ペアにおいて視覚野同士の同期が確認された。これにより本解析手法の有効性の一端を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義として,まずハイパースキャンにおける解析法を整理し,全ての装置で用いることが可能な実験を構築したことが挙げられる。さらにハイパースキャンfMRIデータに対するネットワークダイナミクスの新たな解析パッケージを作成し,解析例として高機能自閉症者のデータに適用し,新たな知見を得られたことも学術的に大きな意味を持つ。これにより,さまざまな関係性を持つ二者の社会的相互作用に関わる神経基盤をさらに詳細に探ることができるようになり,リアルタイムコミュニケーションのあり方について科学的見地からの発信力が増したことに社会的な意義があると考えられる。
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