研究課題/領域番号 |
20K07728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
稲瀬 正彦 近畿大学, 医学部, 教授 (80249961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 時間認知 / 前頭連合野 / 内側運動前野 / 神経細胞活動 / 運動前野 / 時間再生 / 大脳皮質 / 主観的時間 / 大脳基底核 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、時間知覚と時間再生に関わる神経機構を、神経細胞活動レベルで解明することである。視覚刺激の時間知覚と運動待機中の時間再生の双方の時間計測過程を含有する課題を用いて、前頭連合野や線条体などの神経細胞活動を解析する。さらに、視覚刺激を変化させたり薬物を投与することにより主観的な時間を操作し、時間計測に関わる神経細胞活動がどう変化するかを検討し、主観的な時間の神経機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
視覚刺激の時間知覚と運動待機中の時間再生の双方の時間計測過程を、1試行に含有する課題を用いて、課題遂行中のサル大脳皮質前頭連合野背外側部と内側運動前野の神経細胞活動を調べた。前頭連合野では、刺激呈示期と刺激呈示直後の遅延期に呈示時間の知覚に関わる一過性活動が多く見出された。内側運動前野では、運動待機期に漸増する活動が多く見出された。これらの結果は、前頭連合野が主にフィルタリング機構により時間知覚に、内側運動前野が主に漸増活動により時間再生に関わることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳内における時間計測過程、特に秒単位の時間情報処理過程は未だ明らかにされていない。本研究では、外部からの感覚刺激の時間計測と自ら定めた待機時間の計測とが、同じしくみで同じ神経細胞群によって実行されるのか、それともしくみや神経回路は異なるのか、について検討した。その結果、大脳皮質の異なる領域の神経細胞が、異なる様式で、2つの時間計測過程に関わることが明らかとなった。この結果は、時間知覚と時間再生とが、異なる神経細胞群により、異なるしくみによって実現されていることを示す。脳内の時間情報処理機構の解明に大いに貢献する結果である。
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