研究課題/領域番号 |
20K07735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 (2022) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
尾崎 智也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40710588)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経軸索損傷 / コンドロイチン硫酸 / ドラッグリポジショニング / 脊髄損傷治療薬 / プロタミン / 損傷軸索の再伸長 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、治療法のない脊髄損傷に対して、糖鎖結合分子が治療薬となり得るか評価する。中枢神経系の神経軸索は傷つくと先端部にdystrophic endballと呼ばれる異常形態をとり、伸長不全に陥る。dystrophic endball形成の責任分子はコンドロイチン硫酸(CS)であると分かっている。本研究はCS鎖に結合するペプチド(CSBP)を使い、CSの軸索伸長阻害効果を抑えることで、軸索再伸長を促し脊髄損傷を治療できるか否か吟味する。本研究の完成は、脊髄損傷を治療する上での、優れた治療薬とCS鎖を標的にすれば十分だという単純な治療戦略を提案する。また、より有効な新薬創出にも繋がる。
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研究成果の概要 |
本研究では、臨床薬であるプロタミンが脊髄損傷に対する治療薬になる可能性を吟味した。まず、損傷した軸索末端にできる病態であるdystrophic endballを誘導できる培養モデルを使い、プロタミンがdystrophic endballをキャンセルすることが分かった。動物実験では、尾静脈から投与されたプロタミンは、脊髄損傷による運動不全を改善し、脊髄内のセロトニン作動性神経線維の伸長を促進することが観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の治療実験では、脊髄損傷1週間後から治療を開始した。これは、実際の脊髄損傷患者に対する亜急性期以降の治療に光を指すものである。なぜなら、亜急性期以降の治療の大半はリハビリテーションであり、神経軸索の伸長を促す薬剤治療は行われない。本研究の結果は、亜急性期以降の脊髄損傷患者に対し薬剤で治療できる可能性を示した意義あるものである。脳における軸索損傷にもプロタミンが治療効果を示すのかについては、興味を持たれるところであり、我々の今後の課題である。
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