研究課題/領域番号 |
20K07742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 神奈川工科大学 (2021-2022) 順天堂大学 (2020) |
研究代表者 |
山下 直也 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 准教授 (40508793)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 軸索輸送 / 逆行性シグナル / トランスサイトーシス / アルツハイマー病 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)の発症にはアミロイドβ前駆タンパク質(APP)の切断産物であるアミロイドβ(Aβ)が深く関与するが、その過剰産生を引き起こす機構は不明である。研究代表者は、神経成長因子(NGF)とセマフォリン3A(Sema3A)により制御される軸索輸送を介した逆行性シグナルの制御異常が、Aβの過剰産生を引き起こす可能性を見出した。そこで本課題では、NGFとSema3A逆行性シグナルの制御異常がAβの過剰産生を引き起こす機構の解明と、そのAD病態との関係を明らかにするための研究を実施する。
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研究実績の概要 |
神経発生過程において、神経成長因子(NGF)は、神経軸索の先端に発現する受容体(TrkA)により受容されて神経栄養作用を発揮する。この時、NGF-TrkAシグナル複合体は軸索から細胞体へ逆行性軸索輸送されて細胞体までシグナルを伝搬する。研究代表者は、細胞体に到達した軸索由来のTrkAが細胞体膜由来のTrkAに作用し、その軸索先端へのトランスサイトーシスを促進するポジティブフィードバックを明らかにしたことを契機に、トランスサイトーシスされるTrkAの生理作用を追及している。本研究において研究代表者は、アルツハイマー病(AD)発症との関連が深いアミロイドβ前駆タンパク質(APP)が、TrkAと共輸送されることを明らかにした。 昨年度までに、TrkA-APP共輸送がNGFの生理作用に関与することを見出した。また、NGFとは相反する作用を持つセマフォリン3A(Sema3A)が、受容体(PlexA4)を介してTrkA-APP共輸送を障害し、APPからアミロイドβ(AD発症を引き起こすと考えられている分子)の産生を促進する可能性を見出した。このように、Sema3Aシグナル過剰がAD発症に関与する可能性が示唆されたことから、本年度は、研究代表者が確立したSema3Aの高精度定量系を用い、ヒト検体を用いた定量を行った。その結果、AD患者由来の死後脳検体において、Sema3Aの有意な発現異常が認めらることが分かった。また、血液サンプルでも定量できる可能性を見出し、生体試料においても定量できることが分かった。 これらの結果から、TrkA-APP共輸送についての研究は、神経発生の基本原理を明らかにするだけでなく、AD発症に関わる分子機構の解明や、AD早期診断のバイオマーカー開発にもつながる可能性が見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の結果を踏まえた研究計画が、おおむね予定通り遂行できたから。
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今後の研究の推進方策 |
血液サンプルにおけるSema3Aの定量は、生体試料における測定をするうえで重要であると考えられる。そこで、種々のコントロール実験を行い、確かにSema3Aが定量できていることを証明する研究を行うともに、これまでに得られた成果を論文発表するための準備を進める。
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