研究課題/領域番号 |
20K07746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
坪井 美行 日本大学, 歯学部, 講師 (50246906)
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研究分担者 |
浅野 正岳 日本大学, 歯学部, 教授 (10231896)
三枝 禎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50277456)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 性差 / 舌痛症 / マウス / ミノサイクリン / Pioglitazone / 舌 / 痛み |
研究開始時の研究の概要 |
舌は微妙な運動ができる運動器であり、味覚と体性感覚両者の受容器を配する感覚器でもある。末梢受容器レベルの研究は進んでいるものの、中枢神経系では表層の粘膜感覚情報と深部感覚情報の収束、その情報処理機構など不明な点が多い。一方、歯科臨床では舌痛症の難治性が問題となっている。その特徴は、疼痛が唯一の症状で舌などに明らかな病変が存在しなく、更年期の女性に多く発症する。近年、疼痛の発現に関わる免疫システムに性差があり、そのフォーカスは中枢神経系であることが報告された。本研究では、舌痛症における疼痛発現機構を臨床に則したモデル動物を使って解明し、新たな治療方法開発に示唆を与えることを目的とする。
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研究成果の概要 |
舌神経損傷(LNI)モデルマウスを用いて,舌神経損傷後の舌機械アロディニアおよび熱痛覚過敏の性差に対する中枢神経系の免疫細胞の役割を解析することを目的とした。LNI後1日目より9日目まで,雄性および雌性マウスともに機械または熱刺激によるHWRTが有意に低下した大槽内ミノサイクリン投与後,LNI後の機械または熱刺激によるHWRT低下の抑制が雄性マウスでのみ認められた。一方,大槽内ピオグリタゾン投与後,LNI後の機械または熱刺激によるHWRT低下の抑制が雌性マウスでのみ認められた。舌神経損傷後の舌神経障害性疼痛の性差には,上行性痛覚伝達系の興奮性を調節する免疫細胞の相違が関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、神経障害性モデル動物を使用して,延髄内の免疫反応の違いが,疼痛様行動発現の性差に関与しているかを調べることにより,舌神経損傷後の舌神経障害性疼痛の性差には,上行性痛覚伝達系の興奮性を調節する免疫細胞の相違が関与することが示唆できた。このことにより,延髄内の免疫反応の違いにターゲットにした性差を加味した新規の治療に応用できる知見が得られた。
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