研究課題/領域番号 |
20K07751
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
|
研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
行方 和彦 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 副参事研究員 (70392355)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 神経再生 / TrkB / AAV / 緑内障 / 軸索再生 / 遺伝子治療 / 神経保護・再生 / TrkBシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では網膜の神経に注目し、TrkBを用いた遺伝子治療によって神経再生を強力に促し、軸索損傷によって失明したマウスの視機能回復に挑戦する。具体的には、アデノ随伴ウィルス(AAV)による遺伝子発現、組織透明化による細胞の立体画像解析、optogeneticsによるタンパク発現制御、遺伝子改変マウスなど様々なツールを利用して、神経保護と軸索再生療法の可能性に挑戦する。また、その分子機序解明のために、細胞内シグナル、微小管形成、軸索輸送などの検討を行う。本研究から得られた知見は緑内障や脊髄損傷など、軸索変性を引き起こす多くの神経変性疾患において、広く有益な成果となることが期待される。
|
研究成果の概要 |
本研究では、独自開発した常時活性型TrkB分子を活用した遺伝子治療よって網膜神経節細胞の保護効果および軸索再生効果を促進させることで、失明したマウスの視機能回復の可能性について検討した。常時活性型TrkB分子を発現した網膜神経節細胞では、視神経挫滅によって誘導される細胞死を強く抑制した。また、切断された軸索再生効果もあり、再生軸索が視交叉まで到達することを確認した。さらに、緑内障モデルマウスでは、神経保護効果だけでなく視機能低下の抑制効果も確認された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これらの成果から、常時活性型TrkB分子は、細胞内のシグナル活性化を介してin vivoにおけるマウス網膜神経節細胞の保護・再生を強力に促進することが判明した。したがってアデノ随伴ウィルスなどの遺伝子治療との併用することで、緑内障などの網膜神経変性に対する新たな治療法となる可能性に期待が持たれる。
|