研究課題/領域番号 |
20K07762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鄭 且均 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (00464579)
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研究分担者 |
道川 誠 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40270912)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 糖尿病 / インスリン欠乏 / ATBF1 / タウタンパク質のリン酸化 / タウタンパク質リン酸化 / 1型糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病はアルツハイマー病(AD)の危険因子であり、特に脳内のインスリン欠乏はタウタンパク質をリン酸化させ、認知機能障害を引き起こす。インスリン欠乏がタウタンパク質のリン酸化に与える分子メカニズムは明らかになりつつあるが、未だに不明なことが多い。我々は、ADモデルマウスでストレプトゾトシン投与により転写因子であるATBF1の発現レベルが減少すること、ならびに細胞でATBF1をノックダウンさせると、リン酸化タウタンパク質が増加することを発見した。本研究の目的は、①インスリン欠乏によるATBF1発現減少メカニズムと、②タウタンパク質のリン酸化におけるATBF1の機能を明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
N2AP301L細胞にインスリンを処理すると、PI3K-Akt-CREBシグナル伝達経路を介してATBF1のmRNAおよびタンパク質レベルが増加した。N2AP301L細胞およびラット由来の初代神経培養細胞にATBF1をノックダウンすると、ERKおよびJNKの活性化が低下することでタウタンパク質のリン酸化が抑制した。逆に、N2AP301L細胞にATBF1を過剰発現させるとERKおよびJNKの活性化を介してタウタンパク質のリン酸化が亢進した。さらに、野生型マウスに比べてATBF1(-/-)マウス脳ではタウタンパク質のリン酸化の亢進や、ERKおよびJNKの活性化の亢進が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、世界ではリン酸化タウタンパク質の亢進メカニズムを解明する研究が活発に行われているが、未だに不明なことが多い。我々は、世界で初めてATBF1の発現減少がタウタンパク質のリン酸化を亢進させることを見出した。タウタンパク質のリン酸化制御メカニズムにおけるATBF1の機能を細胞・動物レベルで明らかにすることによって、新たなタウタンパク質のリン酸化メカニズムが解明されれば、ATBF1をターゲットとしたAD治療薬開発の基盤となることが予想され、成功した場合に非常に卓越した成果が期待できる。
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