研究課題/領域番号 |
20K07763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
井上 健一 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90587974)
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研究分担者 |
相馬 良一 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20868054)
中舘 和彦 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80372895)
山内 忍 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70433589)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | NEDAMSS / 疾患由来iPS細胞 / IRF2BPL / IRF2BP1 / IRF2BP2 / 細胞内局在 / ウェスト症候群 / 患者由来iPS細胞 / 孤発性IRF2BPL変異 / 小児神経変性疾患 / NEDAMSS病態モデル / Drug Repurposing |
研究開始時の研究の概要 |
2018年に欧米で報告された新規疾患NEDAMSSは、孤発性のIRF2BPL遺伝子変異により発症する。NEDAMSSは小児期から進行性の神経変性による運動障害を示し、本邦でも潜在的な患者が想定される。ショウジョウバエ遺伝学者はIRF2BPLホモログPitsの変異体を活用して、NEDAMSSの病態モデルを確立している。ハエとヒトは身体の構造が全く異なるが、遺伝子がコードする酵素の機能は類似している。本研究は2症例のNEDAMSS患者由来iPS細胞を作製して、ヒトNEDAMSS病態モデルを確立する。ショウジョウバエ病態モデルとiPSモデルの双方の利点を生かすことで、迅速な治療薬の探索を実現する。
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研究実績の概要 |
初年度の実験では、NEDAMSS患者由来皮質ニューロンの顕著な表現型は観察されなかった。ところがその後の報告で、NEDAMSSの表現型はアストロサイトを介している可能性が示唆された(Sinha Ray et al., Cell Rep., 2022)。我々の実験系はiPS細胞からNGN2強制発現系を用いており、比較的純粋な皮質ニューロンから構成される。このため初年度の実験系では、アストロサイトの病態の影響がマスクされている可能性を疑った。 iPS細胞から分化誘導した神経幹細胞でRNA-Seq解析を実施したところ、患者vs健常の比較で顕著な差は見られなかった。ところが同じ実験を分化誘導アストロサイトで実施すると、患者vs健常の比較で複数の炎症性サイトカインの発現低下が観察された。 そこで神経幹細胞から自発的に分化した皮質ニューロン・アストロサイトの共培養を、電子顕微鏡・電気生理解析に用いた。 電子顕微鏡解析で患者・健常細胞ともにミエリンを貪食する像が得られたため、貪食能の高いアストロサイトの存在が示唆された。また患者由来の細胞で、multivesicular body像が観察された。 パッチクランプを用いた電気生理解析では、神経幹細胞から皮質ニューロンの分化・成熟に伴い、ナトリウム電流の波形に変化が見られた。具体的にはピークとなるスパイクが、一つから複数見られる方向に変化した。成熟度とスパイクパターンの相関を調べると、患者の方が健常ニューロンよりも成熟が早い傾向があった。 最後に、アフィニティタグで精製したIRF2BPL結合タンパク質の同定を進めた。前年度同定したIRF2BPL(ホモ複合体)、IRF2BP1、IRF2BP2に加えて、糖代謝酵素であるPKMを同定した。PKMは、患者由来の変異タンパクにも結合していた。これらのタンパク複合体が病態に及ぼす意義が、今後の課題となる。
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