研究課題/領域番号 |
20K07772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
畑中 伸彦 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 助教 (80296053)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マカクサル / 大脳皮質 / 大脳基底核 / 運動情報の流れ / 視床下核 / 淡蒼球内節 / 霊長類 / パーキンソン病 / 運動障害 |
研究開始時の研究の概要 |
視床下核は大脳基底核疾患の治療対象として注目されていますが,その複雑な入出力によって,治療法の作用機序がいまだに不明です。活動特性の異なる前頭葉の上肢運動関連領野を同定し,運動に伴う情報の流れを特定した視床下核ニューロンの活動を記録し,その周囲に遮断薬を極微量注入することで,視床下核ニューロンの活動がどのように調節されているかを知ります。本研究の成果は大脳基底核疾患の病態を理解するのに重要です。
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研究実績の概要 |
2023年度は3頭のニホンザルを用いた。遅延付き上肢運動課題を遂行中のサル視床下核に2つの微小ガラスチューブを備えたエルジロイ電極を刺入し、電気生理学的に同定された一次運動野と補足運動野の上肢再現部に慢性的に埋入されたステンレス製慢性刺激電極への電気刺激に応答するニューロンの運動課題遂行中の活動様式を記録し、その後グルタミン酸受容体やGABA受容体の遮断薬(イオン型グルタミン酸受容体遮断薬;NBQXおよびCPP+ イオン型GABA受容体遮断薬;gabazine)を電極に付随した2つのガラスチューブよりマイクロポンプをもちいて局所注入することで、グルタミン酸作動性の活動成分とGABA作動性成分に分離して観察することに成功した。2024年度は記録部位の局所遮断による上肢到達運動遂行中の視床下核ニューロン活動のグルタミン酸作動性コンポーネントとGABA作動性コンポーネントの活動における方向選択性や活動開始時期の違いなどを詳細に検討する。また、2023年度にこれまでの研究結果の一部である、これまでStop課題によく応答する部位として知られている、視床下核腹側部だけでなく、運動野から直接投射を受ける背側部でもStop課題に応じた活動が認められたことを論文として発表した。 なお、与えたStop課題は手がかり刺激(S1)は3つのうちの1つのLEDが赤色で提示され、通常と同じ延期間が置かれ、3つのLED全てにStop刺激(赤色)が提示され、サルは準備していた運動をやめて、ホームキー上に手をキープし続けると、成功となり報酬を得られるもので、先行例のStop課題とは多少デザインが異なる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナによる多少の遅れが生じているが、概ね順調に研究は進んでおり、課題を習得したサルからデータを収集している。3頭のデータが蓄積され、当初の予想通りに、大脳皮質ー大脳基底核ー視床ー大脳皮質ループの中で、これまで知られていた高次脳機能のループ内に存在するような、Stop課題に関連した活動を示す、運動野から入力を受ける視床下核ニューロンが見つかった。またグルタミン酸受容体、GABA受容体の選択的な遮断薬を用いた活動の違いを観察するのに成功している。
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今後の研究の推進方策 |
コロナによる多少の遅れが生じているが、概ね順調に研究は進んでおり、3頭のマカクサルに遅延機関付き上肢到達運動を遂行させ、その際の視床下核ニューロンの活動を選択的な受容体遮断薬を用いることで、運動に関わる神経活動をグルタミン酸作動性コンポーネントとGABA作動性コンポーネントに分離し、活動の特徴を解析する。
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