研究課題/領域番号 |
20K07790
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
日向 須美子 北里大学, 薬学部, 准教授 (60353471)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 麻黄 / c-Met / EGFR / ダウンレギュレーション / 分子標的治療薬 / 漢方薬 / 活性型変異EGFR / 非小細胞肺がん / 乳がん / Met阻害 / osimertinib / EGFRチロシンキナーゼ阻害剤 / EGFR-TKI耐性非小細胞肺がん / 耐性肺がん / 増殖因子受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮細胞増殖因子受容体 (EGFR) が変異した非小細胞肺がんは、分子標的治療薬EGFRチロシンキナーゼ阻害剤 (EGFR-TKI) が著効するが、数年後に耐性によりがんが再燃する。この原因のひとつに肝細胞増殖因子受容体c-Metの過剰発現がある。c-Met過剰発現耐性肺がんに対するEGFR-TKI と、c-Met阻害作用を有する麻黄との併用効果を調べた結果、がんの増殖は有意に抑制され、麻黄は過剰発現したc-MetやEGFRの発現を低下させた。本研究では麻黄による受容体のダウンレギュレーションの分子メカニズムを解明し、麻黄をEGFR-TKI耐性肺がんの治療へ応用するためのエビデンスを提示する。
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研究成果の概要 |
麻黄エキス(EHE)が非小細胞肺がん(NSCLC)細胞に過剰発現しているc-Metや野生型EGFRのダウンレギュレーションを誘発することを見出していたが、臨床において分子標的治療薬の対象となるのは活性型変異EGFRを発現したNSCLC患者であることから、活性型変異EGFRを発現するNSCL細胞を用いてEHEの効果を解析した。EHEは活性型変異EGFRをダウンレギュレーションし、さらに活性型変異EGFRを不可逆的に阻害する分子標的治療薬・オシメルチニブとの併用では、オシメルチニブが共有結合したEGFRもダウンレギュレーションされ、がん細胞の増殖抑制効果が有意に高くなることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:がん細胞に過剰発現したc-Met、EGFR、及び、活性型変異EGFRをダウンレギュレーションするような分子の報告はなく、EHEの作用は新規作用であると考えられる。麻黄は細胞表面に発現する分子に作用して、細胞機能の調整を行っている可能性があり、本研究成果は漢方薬の薬効解明の糸口になると考えられる。 社会的意義:活性型変異を有するEGFR発現NSCLCには分子標的治療薬が有効であるが、c-Metを発現すれば薬剤耐性を引き起こす。EHEは活性型変異EGFRとc-Metの両方に作用することから、再発抑制に有効な併用薬となる可能性がある。
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