研究課題/領域番号 |
20K07794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
坂本 昌也 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 教授 (40419742)
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研究分担者 |
西川 正子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50373395)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HbA1c値変動 / 2型糖尿病 / 予測値 / 糖尿病 / 血糖変動 / HbA1c |
研究開始時の研究の概要 |
平均血糖値の指標であるHbA1c値のみを用いた糖尿病診療では心血管疾患の発症予防は困難であり、残存リスクに“HbA1c値変動”が想定されている。 申請者は10万余症例の診療データから月別HbA1c値推移を検証し、“HbA1c値変動”と糖尿病合併症に関連性を見出し、その変数に概年リズムがある事を明らかにした。また、独自の予測式による“HbA1c値変動”が既知の事実から予想される結果と矛盾しない結果を得て、2型糖尿病患者の新たなリスク管理法の糸口を掴んだ。本研究では同モデルを洗練、予測精度向上と“HbA1c値変動”の定義の提案を図り、変動のリスクを具体的に数値化、リスクマーカーとして臨床応用を目的とする。
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研究実績の概要 |
近年、HbA1c値の変動は糖尿病合併症と関連がある事が報告されていた。しかし、それらの変動は1年に2回など極めて測定回数の少ないものや、介入試験の途中経過を含んだデータでの解析であった。我々は既にHbA1c値に季節変動があることを報告してる事から、年に2回程度の測定では、真のHbA1c値変動を反映していないと考えている。そこで今回我々はHbA1c値を年の4回以上測定されている患者約5000人を対象にHbA1c値の変動を検証した。
今回新規にそれらの変動を使用して予後と関係があるか否かを検討するにあたり、それらのデータからSASを用いてHbA1cの予測値並びに予測グラフを新規に作成し、別の患者集団でその予測値と実際が近しいか否かを検証した。今回対象患者をHbA1c別に①HbA1c 6.5%以下②HbA1c 6.5%~7.5%未満③HbA1c7.5%以上の3群に分けた。結果③ではやや予測値とはずれている場合もあったが、①②群においてはかなり精度の高い検討が出来る事が分かった。 今後の課題として③群をさらにHbA1cの高い群とそうでない群に分けて検討をし制度を高める事。さらには使用している薬剤別、並びに高血圧、脂質異常症の有無があるか否かなどによっても群別をして、さらに予測精度の高いものとしたい。現在preriminariではあるが、これらの予測値を利用して、HbA1c値変動の大きい群では糖尿病性腎症の進行が速い可能性を見出している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
HbA1c値変動の精度を検証するための人数設定が十分でなく、新たに臨床研究を立ち上げ、人数の多いものに設定をしなおした。また今回共同研究者が一部退職したことや、新規に参入したものがおり、様ざまな研究者の意見を取り入れて、一部研究内容を変更したことにより意見の統一に時間がかかったことが上げられる。一方で研究内容の一部は海外学会で発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新規に立ち上がった研究内容はその検証も順調である。現在はHbA1c値変動と糖尿病性腎症並びに、糖尿病網膜症といった、糖尿病に合併する細小血管障害との研究を進める予定である。残り1年で論文化可能なる、2研究に焦点を絞って進める予定である。
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