研究課題/領域番号 |
20K07799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奥村 伸生 信州大学, 学術研究院保健学系, 特任教授 (60252110)
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研究分担者 |
樋口 由美子 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師(特定雇用) (40757241)
平 千明 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (40779310)
新井 慎平 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (70866053)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | フィブリノゲン / 異常フィブリノゲン / 管状構造形成能 / M1-Mφ分化 / アミロイドβ1-42 / 細胞遊走能 / 内皮間葉転換能 / NETs形成能 / 好中球 / NETs形成能 / M1-マクロファージ / THP-1 / フィブリン / 血管内皮細胞 / 皮膚線維芽細胞 / 遊走能 / 形質転換能 / NETs |
研究開始時の研究の概要 |
フィブリノゲン(Fbg)は血中でフィブリン(Fbn)に転換し止血を行うだけでなく、細胞外マトリックスとして蛋白沈着・血管新生・創傷治癒・炎症に関与することが知られている。しかし、これらの機能はFbgのどの部分・構造が重要であるか、明らかになっていない。我々は、Fbgの凝固機能異常を有する多くのリコンビナントFbgを保有しており、これらを用いて、Fbg及びFbnの構造異常が1)アミロイドβ1-42との複合体形成能力、2)血管内皮細胞・皮膚線維芽細胞の遊走能・管状構造形成能・形質転換能、3)好中球のNETs形成及びマクロファージ分化能に与える影響について明らかにする。
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研究成果の概要 |
ヒト血管内皮細胞を用いた管状構造形成能はBβG15C-Fbg添加では正常Fbgより分岐がなく短く太い構造が観察された。内皮間葉転換能では形態変化と間葉系マーカーmRNA定量とも、いずれの変異型Fbgも正常Fbgと有意差を認めなかった。ヒトTHP-1細胞のM0-マクロファージ(Mφ)からM1-あるいはM2-Mφ分化への影響では、健常者Fbgにおいて増強したM1-Mφへの分化がBβGly15Cys-Fbgでは完全に抑制されたが、他の異常Fbgでは抑制されなかった。 以上より、BβG15C変異Fbgでは健常人・他の異常Fbgに比較して管状構造形成能、M1-Mφ分化能に対する影響が強く疑われた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フィブリノゲン(Fbg)は血液凝固・線溶系に関与するのみならず、細胞外マトリックス(ECM)として蛋白沈着・血管新生・創傷治癒・炎症などに関与している。しかし、ECM機能に関しては正常Fbgを用いて研究されているだけで、凝固機能異常Fbgを用いた研究はほとんど行われてこなかった。 我々はこれまでに同定したAαR16、BβG15、γR275、γN308などの凝固機能異常血漿Fbgを用いてECM機能を検討した。その結果、BβG15C変異Fbgでは健常人・他の異常Fbgに比較して管状構造形成能、M1-Mφ分化能に対する影響が強く疑われた。このことは患者のQOL向上の指導に有益な知見となった。
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