研究課題
基盤研究(C)
細胞から分泌されるエクソソームは由来する細胞の特徴を反映することから、体液中エクソソームは新たなタイプのバイオマーカーとして期待されている。本研究では、新規方法を用いて血清から単離したエクソソーム中のアミロイドベータ・p-Tauの検出によりアルツハイマー病と対照の鑑別が可能かどうかを検証するとともに、プロテオーム解析を行い、新規診断マーカーの候補を同定する。続いて、マーカーの検出システム構築した後に多検体で解析を行い、アルツハイマー病・MCI(軽度認知機能障害)と対照症例の鑑別における臨床的有用性を検証する。
本研究では、アルツハイマー病(AD)患者血清からエクソソームを精製し、プロテオーム解析により新規バイオマーカーを同定することを目的とした。検体としてAD患者および健常者の血清を用いた。①フォスファチルジセリンアフィニティ法により精製したエクソソームのプロテオーム解析により、AD患者で増減するタンパク質を15個同定した。②エクソソームマーカータンパク質に対する抗体により精製したエクソソームのラベルフリー定量プロテオーム解析により、AD患者で増減するタンパク質を13個同定した。今後は、これらバイオマーカー候補について詳細な検証を行い、血清中エクソソームを用いたADの新規診断法の開発を目指す。
超高齢社会を迎えているわが国では認知症の早期診断は喫緊の課題である。本研究では、血清中のエクソソームに焦点を当て、アルツハイマー病の新規バイオマーカーの探索を行った。本研究により、アミロイドβ、リン酸化タウなど既知のバイオマーカー以外の候補タンパク質を同定した。本研究を発展させることにより、将来的には血清中のエクソソームを用いたアルツハイマー病の診断が可能になることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)
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