研究課題/領域番号 |
20K07822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
樋口 由美子 信州大学, 医学部, 講師(特定雇用) (40757241)
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研究分担者 |
奥村 伸生 信州大学, 学術研究院保健学系, 特任教授 (60252110)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シトルリン化フィブリノゲン / 好中球細胞外トラップ / 炎症 / NETs / PAD / 感染症 / がん / PAD4 |
研究開始時の研究の概要 |
感染等により活性化した好中球は、PAD4(Peptidylarginine deiminase type 4)の作用によって、核内のクロマチン繊維及び顆粒蛋白から成るNETs(Neutrophil extracellular trap)を細胞外に放出する。NETsは感染防御の役割を果たすが、その過剰形成は様々な炎症性疾患に関与することが明らかになってきている。 血清中に存在するシトルリン化フィブリノゲンは、NETsの形成に関与するPAD4の作用によって産生されることから、NETs検出のためのマーカーとなりうるかを検証する。
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研究成果の概要 |
血清中に増加したシトルリン化フィブリノゲン(Cit-Fbg)が好中球細胞外トラップ(NETs)の指標となりうるかを検証した。好中球とFbgの共培養下でNETsを誘導したところ、経時的なNETsの増加に伴いCit-Fbgが増加した。感染症患者血清中のCit-Fbgは健常群と比して有意に増加しており、敗血症群ではNETsマーカーの有意な増加も認められた。がん患者群のCit-Fbgは健常群と比して有意に増加していたが、NETsマーカーの増加は認めなかった。血清中Cit-Fbgの増加は感染症ではNETsを含めた炎症病態を反映すると考えられたが、がんにおける増加原因についてはさらなる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シトルリン化フィブリノゲン(Cit-Fbg)濃度の上昇が好中球細胞外トラップ(NETs)に起因することをin vitroで定量的に示した。感染症患者の血清中Cit-Fbgは有意に上昇しており、特に敗血症においてはNETsの増加も認めたことから、Cit-FbgはNETsを含めた炎症病態を反映することが示唆された。がん患者の血清中Cit-Fbg増加原因については、Cit-FbgやNETsの低濃度域での検出の開発を含めさらなる検討が必要と考えられた。
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